アムンディ・ヨーロッパ通信~政策金利の市場予想とユーロ相場

2018/11/02 <>

景況感ピークアウトがきっかけ

ユーロ相場が軟調です。10月末は1ユーロ1.13ドルと、17年6月下旬以来のユーロ安・ドル高水準となっています。ユーロ安の要因として大きく影響したのは景況感のピークアウトと考えられます。ユーロ圏の成長ペースは、17年後半は前期比年率+2.7%と堅調でしたが、18年前半は同+1.9%へ減速、18年7-9月期は同+0.6%とさらに減速しました。これまでは、18年後半に持ち直すとの見方が大勢であったため、市場の景気先行き不透明感が強まっています。

利上げ議論本格化の時期は?

ユーロ相場は、ECB(欧州中央銀行)の金融政策に対する見通しに敏感です。短期金融市場で形成される金利を元に、19年末の政策金利※が市場でどう予想されているかを見ると、景気実態が当初の見通しを下回る状態が続くに従い、市場予想が下方修正されて行きました。今年最高は0.36%(1月)でしたが、現在は0.10%まで低下し、それと前後しながらユーロ安が進行しました。9月に景気持ち直しを示唆する経済指標が見られ上昇したものの、10月に再び弱いものが目立ち低下しました。利上げ議論の本格化は、年末頃から年明け後に後ずれし、ユーロが持ち直す時期は遅れ、上昇余地も狭まったと考えられます。

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