ユーロ圏の5月物価・4月雇用情勢~金融政策、為替相場の展望

2018/06/01 <>
  1. 5HICPは前年同月比+1.9%、コアは同+1.1%に加速、特殊要因や原油高が影響しました。
  2. 4月失業率は8.5%と、94ヵ月ぶりの低水準でした。雇用環境は依然改善が続いています。
  3. 好調な景気を背景に年後半には金融政策正常化の道筋が見え始め、ユーロは底堅くなると考えます

コアは依然低位

31日、Eurostat(EU統計局)が発表した5月のHICP(速報)は、総合が前年同月比+1.9%、コアが同+1.1%と、4月(それぞれ同+1.1%、+0.7%)から加速し、総合は、ECB(欧州中央銀行)のインフレ目標(+2%弱)に到達しました。ただし、特殊要因の影響が大きく、原油高でエネルギーが+2.6%から+6.1%へ、変動の大きい品目が4月に低下した反動で、サービスが+1.0%から+1.6%へと加速したことでほぼ説明が付きます。コアは3月以前の+1%近傍へ戻しただけです。

一方、同日に発表された4月の失業率は8.5%と、9年4ヵ月ぶりの低水準となりました。失業者数は前月比-5.6万人でした        。ドイツが3.4%と、東西統一後最低を更新しました。雇用環境は依然改善が続いていると見られ、中期的なインフレ率上昇への期待は大きく変わらないと見られます。

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景気の好調さがユーロの支え

ユーロ相場は軟調です。1-3月期に景気が減速したことや低位なインフレ率で、利上げを続ける米国との金融政策の方向性の違いが目立ったことが影響しました。

景気減速は一時的で、ユーロ圏は+2%台の好調な成長ペースに戻り、年後半には金融政策正常化も見えてくると予想されます。ユーロもそれに応じて底堅くなると考えます。

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