FM 今週のポイント(4月 24日)
*先週の日経平均株価は反発し(週間で 285 円高)、かろうじてメルトダウンシナリオを回避しました。北朝鮮を巡る緊張が一時的に緩和したことから内外投資家のショートカバーとともに、割安株への押し目買いが入った模様です。今週は 23 日のフランス大統領選挙(第一次投票)の結果が週初のポイントです(東京市場が最初に結果を織り込む⇒いつもの展開)。世論調査では中道のマクロン前経済相がリードし、数ポイント差で極右のルペン国民戦線党首が次点に付ける展開です(両者が2週間後(5月7日)の決戦投票に進む可能性が高い)。楽観的なシナリオは、順当に両者が勝ち残ったうえで、反EUのルペン氏の得票率が世論調査の支持率ほどは高まらないという結果(いずれかの候補が第1回投票で過半数を獲得する可能性は極めて低い)です⇒ひとまず警戒感が和らぎ、世界的にリスクオンの度合いが高まるものと思われます。しかし、フランスで 20 日にも警官が死傷する発砲事件が起き、テロの脅威が一段とクローズアップされています。また、こともあろうにトランプ大統領がルペン氏を賞賛(応援)するメッセージを公式に発言しています(AP 通信のインタビューに答え、「彼女は国境管理やフランスで起きている出来事(銃撃)に関し、最も強い」と評した)。こうした風潮を背景に浮動票がルペン氏に流れることをマーケット参加者は懸念しています(もっとも、支持率が低いトランプ大統領の応援は逆効果との見方もある)。第一次投票で、マクロン氏の票が伸びず、ルペン氏と、直近で急速に人気を集めている急進左派のメランション氏(左翼党)が1位、2位となる「最悪のシナリオ」の場合は世界的に大きなリスクオフとなる可能性が高いと思われます(その場合でもエントリーの好機と思われる)。そして 25 日は朝鮮人民軍が創設されて 85 周年にあたります。これまで北朝鮮は国の記念行事に合わせる形で何かしらの行動を起こしており、6回目の核実験を強行する可能性があります。その場合、北朝鮮情勢は一気にレッドラインを越えて米朝の武力衝突を惹起させる危険性があります(実際に核実験が強行されても戦争が起きない可能性が高い)。米朝戦争勃発はあくまでテールリスクであり、起こる可能性は極めて低く、過度な懸念は必要ないと思いますが、頭の体操はしておくべきでしょう。さらに 26 日はトランプ大統領が税制改革の具体策を発表する予定です。21 日にトランプ大統領は米財務省で、「(来週)水曜日に税制改革に関する大きな発表を行う。手続きはかなり前から始まっていたが水曜日に正式に始まる」と述べ、具体策には言及しなかったものの、AP通信のインタビューに対し、「(企業や個人にとって)大きな減税になる」と話しています。大型減税については依然として共和党との溝が大きく、26 日の発表が実行性と実効性をどの程度期待できるものになるのか不明です。いずれにしても連休前の今週はイベントリスクが高まりそうです(順目が出れば連休後の日経平均株価2万円が見えてくると思われます)。
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