2月の物価指標~金融政策の行方は?(米国)

2017/03/16 <>
  1. 2月のCPIコア指数は前年同月比+2.2%と引き続き安定、PPIはインフレ圧力増大を示唆しています。
  2. 16年後半以降のドル高がインフレを抑制するものの、国内外の景気持ち直しが押し上げ要因です。
  3. PCE価格指数が、コアでも+2%台乗せに現実味が出てきており、緩やかな利上げが続きそうです。

PCEコアも+2%へ

15日、米労働省が発表した2月のCPIコア指数は前年同月比+2.2%でした。すでに16カ月連続で+2%台を記録しており、緩やかかつ非常に安定しています。

こうした中、インフレが進行しやすい環境になっていると見られます。16年後半以降のドル高がインフレを抑制しているものの、世界的な景気持ち直しを背景に、PPI中間財コア指数が前年同月比+3.0%と、11年12月以来5年2カ月ぶりの+3%台となりました。同指数のプラス幅拡大はインフレ圧力の高まりを示していると見られます。FRB(米連邦準備理事会)が金融政策の判断材料としている物価指標のPCE価格指数は、コアベースでは1月時点で前年同月比+1.7%となっていますが、今後+2%台に乗せてくる可能性が以前よりも高まっていると見られます。

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金融政策は今後の景気次第。場合によっては・・・

14-15日に開かれたFOMC(米連邦公開市場委員会)では、今後の利上げ見通しについては、12月時点の年3回ペース(1回0.25%)から変わりませんでした。

インフレ率が目標を下回っている以上、利上げのペースを上げることには慎重にならざるを得ないでしょう。しかし、声明文で述べられているように「実際にFF金利誘導水準をどうするかは、今後発表されるデータに基づく経済見通し次第」です。インフレ率が上振れし、一時的ではないと判断された場合は、もう一段踏み込んだ金融政策の正常化(利上げペース加速や連銀のバランスシート縮小など)が検討されることも否定できないので、今後のインフレ率の動向には要注目です。

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