フェアバリューにあるTOPIXの強さ
- 日本株はトランプ関税で急落した影響を完全に払しょく
- 日経平均とTOPIX 株価トレンドの違いは業績予想の堅調さの違い
日本株はトランプ関税で急落した影響を完全に払しょく
日経平均は700円超の上昇でほぼ高値引けとなった。200日移動平均に頭を押さえられることもなく、これを上に抜けた。25日移動平均が下から75日移動平均を上に抜けるゴールデンクロスを達成、次は200日線とのゴールデンクロスが視野に入る。
こう見てくると日本株はトランプ関税で急落した影響を完全に払しょくしたと言えるだろう。その背景はこれまでも述べている通り、トランプ政策の限界が見え始めたからだ。昨日の大幅高は、米国際貿易裁判所が輸入品に全面的に課税することは大統領の権限を逸脱しているとして、トランプ大統領が発動した一連の関税の大部分を差し止めたことを受けてのものであった。当初はあまりにも無謀な関税政策の発表を受けて世界は混乱したが、結局のところ、「落ち着くところに落ち着く」だろうというヨミが主流になってきている。
日経平均とTOPIX 株価トレンドの違いは業績予想の堅調さの違い
TOPIXのチャートはさらに良好だ。2024年夏の暴落以降、8月末からの動きを見ると、緩やかだが高値切り上げ型のトレンドを維持している。3月下旬につけた直近の高値、2821ポイントまであと10ポイント足らず。これを抜ければ一段と高値切り上げ型の基調が強まる。
日経平均が2024年秋のもみ合いレンジにまだ達していないのに比べて、TOPIXの強さが目立つ。この違いは業績予想の堅調さの違いである。
日経平均とTOPIXの予想EPS(1株当たり純利益)を2024年10月1日を100として比べると、日経平均のEPSは2月をピークに下降トレンドを脱しき切れていないのに対して、TOPIXのそれはほぼ最高値まで戻り、昨秋よりも上の位置にある。
株価トレンドの違いは、素直に業績を反映している。
日経平均が半導体の値嵩株の影響を受けるのに対して、TOPIXは銀行の好業績をはじめとする内需セクターの強さが、自動車の大幅減益を相殺してなお余りあるということであろう。
超長期の金利が注目されているが、これは別の機会にコメントする。指標性のある10年国債利回りは高止まりしているものの、一段高とはなっていない。
TOPIXの予想EPSを現在の10年債利回り+5%のリスクプレミアムで割り引くと、2780ポイントである。現在のTOPIXの水準は概ねフェアバリューにあると言える。

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