2025年1-3月期の日本株の動きからみえてきたこと
2025年1-3月期の日本株の動きからみえてきたこと
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- 2025年1-3月期に日経平均は値がさ株の下げの影響で10.7%下落し、TOPIXは4.5%下落。
- 市場別では東証グロース市場、スタイル別ではバリュー株、規模別では小型株が選好された模様。
- 米関税の不透明感が残る間はバリュー、小型、内需、配当、自社株買いは注目されやすいテーマ。
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2025年1-3月期に日経平均は値がさ株の下げの影響で10.7%下落し、TOPIXは4.5%下落
今回のレポートでは、2025年1-3月期の日本株のパフォーマンスについて、主要指数やスタイル別、テーマ別、業種別に検証します(図表)。まず、日経平均株価からみていくと、2024年12月30日から2025年3月31日までの期間、10.7%下落しました。構成銘柄では、ゲーム関連や防衛関連、地銀の上昇が目立つ一方、半導体関連や自動車の下落が顕著でした。
東証株価指数(TOPIX)は4.5%の下落となりました。なお、TOPIXは時価総額加重平均で算出されるため、時価総額の大きい銘柄(大型株)の値動きに影響を受けやすく、日経平均は構成銘柄の株価平均で算出されるため、株価水準の高い銘柄(値がさ株)の値動きに影響を受けやすい特徴があります。日経平均は、ファーストリテイリングやアドバンテストなどの値がさ株の下げが影響し、下落率はTOPIXよりも大きくなりました。
市場別では東証グロース市場、スタイル別ではバリュー株、規模別では小型株が選好された模様
次に、市場別の指数をみると、東証グロース市場指数は1.5%上昇、東証スタンダード市場指数は0.1%上昇しましたが、東証プライム市場指数は4.5%下落となり、相対的に内需関連が多い、新興市場が選好されている様子がうかがえます。スタイル別では、TOPIXバリューが1.7%下落、TOPIXグロースが7.5%下落となり、相対的なパフォーマンスは、割安株が成長株を上回りました。
規模別では、TOPIX MID 400とTOPIX Smallが2.2%下落、TOPIX 100は5.7%下落となり、大型株のパフォーマンスが相対的に低調でした。さらに、スタイル別・規模別でみると、TOPIX Small バリューは0.5%上昇、TOPIX 500 バリューは1.8%下落、TOPIX Small グロースは5.0%下落、TOPIX 500 グロースは7.7%下落となり、グロースよりもバリュー、大型よりも小型が選好された模様です。
米関税の不透明感が残る間はバリュー、小型、内需、配当、自社株買いは注目されやすいテーマ
内需・外需の別では、日経平均内需株50指数が1.0%上昇した一方、日経平均外需株50指数は9.5%下落するなど、大きな差がみられます。また、配当に注目すると、東証リート指数は2.3%上昇し、日経累進高配当株指数も1.0%の下げにとどまっています。このほか、S&P Globalが算出するS&P日本500バイバック指数(S&P日本500指数構成銘柄のうち自社株買い比率の高い上位50銘柄で構成)も0.8%下げた程度です。
このように、2025年1-3月期の日本株のパフォーマンスを振り返ると、やはりトランプ関税への強い警戒感が影響している様子がうかがえ、「バリュー」、「小型」、「内需」、「配当」、「自社株買い」が主なテーマだったように思われます。今後もこれらに関連する銘柄が、相対的に良好なパフォーマンスを維持できるとは限りませんが、トランプ関税を巡る不透明感が残る間は、注目されやすいテーマであると思われます。
※個別銘柄に言及していますが、当該銘柄を推奨するものではありません。
(2025年4月1日)

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