再び調整色が強まる株式市場

朝晩めっきり冷え込む日が増えた。10月の下旬ともなるとまず気づかされるのが、日の入り時刻が急に早まって、体感的には夏よりも1時間半ほど時間が進んでいるかのような錯覚を覚えること。一方で朝はなかなか明るくならないのでつい寝過ごしそうになること。それに加えて、最低気温と最高気温の差が2倍くらいあるので体調を崩しやすいことである。コロナ禍はいまだ収まっておらず、体調管理には十分注意をしたいところだ。さて遅くなったが、9月のポートフォリオ状況ならびに10月の近況について記したい。

9月のマーケットは米国市場の下落に対して、日本市場はわずかに上昇する展開となった。

米国市場は6ヶ月ぶりに反落。月初こそNYダウは一時29000ドル台、ナスダックは12000ポイント乗せの過去最高値を更新したものの、欧州での新型コロナ再拡大で欧州株が下落し米国株にも売りが波及。買われていた主力ハイテク株が売られる。また5000億ドルの追加経済対策法案が上院で否決され景気先行き懸念が高まる。一方、8月の雇用統計は+137万人となり、失業率は7月の10.2%から8.4%まで低下し予想の9.8%を下回る。FRBは2023年末まで利上げを見送る方針を表明。9月のNYダウは27781ドルと前月より648ドル下落し月間騰落率は-2.3%。ナスダックは11167となり607ポイント下落の-5.2%となった。

東京市場は続伸。菅政権が誕生しアベノミクス継承への期待から買い優勢。日経平均は一時コロナ前の水準を回復し2/20以来6か月半ぶりの高値に。東京都のGoToトラベル対象決定で国内の経済活動再開への期待から内需株が人気。欧米株の下落の影響を受けるものの押し目買い意欲が強く下げは限定的に。為替は先月末の105.50円から今月末は105.70円とわずかに円安に。売買代金は2.3兆円程度と商いは低水準。9月の日経平均は23185円で取引を終え、8月末の23139円から45円上昇し月間騰落率は+0.2%、Topixは+0.5%となった。一方、小型株市場はジャスダック平均が+2.4%、マザーズ指数は+9.4%となった。

太田忠投資評価研究所のインターネットによる個人投資家向け「投資実践コース」 における9月のパフォーマンスは+1.8%となり、年初来-0.2%、累計では+161.4%(8月末+156.8%)とわずかながら前進。9月末時点のポートフォリオの株式比率は76%で30銘柄を保有(8月末は75%で29銘柄を保有)。株式部分の含み益は+31.4%(8月末は+30.4%)。ただし、76%のうち現物株のウェートは41%、日経レバレッジETFの保有比率20%の実質ロング比率は40%でロングは合計81%。これに対し日経ダブルインバースETFの保有比率10%の実質ロング比率は-20%、純金ETF5%は株式とは逆の動きをするため、これらのロング比率は-25%。トータルでは56%のロングポジションである。

9月は欧州での新型コロナ再拡大を受けて、各国が規制強化に動いており経済への悪影響を懸念する声が高まると同時に、引き続き米国では過度な割高感から主力ハイテク株が売られる形となった。もちろん日本株もその影響を受けたものの、割安感から下げは限定的にとどまった。また、菅新首相の誕生で政治リスクは後退した。

10月に入ってからは一段とマーケットに逆風が吹いている。11/3の大統領選の行方や一進一退を繰り返す追加経済対策の協議など不透明要因に加えて、欧州でのコロナ感染の再拡大が顕著であり、フランスでは12/1まで再びロックダウンの措置を取ると発表。10/28の欧州株が急落しNYダウは943ドル安となった。日本市場はさほど大きな影響を受けているわけではないが、マーケットは上値を追える状況ではなくなってきている。株式市場はまだまだ不安定な動きをする可能性があるため、引き続き慎重姿勢を継続したい。

今週から日本企業の2Qの決算発表が本格化している。全体のマーケットの上昇は期待薄であるが、個別企業の動きは活発であり決算内容を見極めていきたい。弊社ではモデルポートフォリオに貢献すると思われる、割安で魅力的な企業については引き続き物色していく方針である。

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