今週の注目レポート (9月18日)

【F’sセレクション】
チーフ・アナリスト藤根靖晃が、直近1週間に発行された全レポートから独自の視点(ROE・財務レバレッジ・PBR水準等)で、注目銘柄をピックアップします。

●ネクシィーズグループ(4346)【 新規→1】
「新規カバレッジ:ゼロ事業の成長と費用計上の反動で来期はV字型回復を予想」
コロナ禍で殺菌・除菌関連機器が好調な反面、解約・貸し倒れに備えた引当金の計上や、旅・飲食のウエイトの高い電子メディア事業の減収から、19/9期の最高益から20/9期は営業赤字に転落。だが引当金の反動と増収効果から21/9期は大きくV字型回復となろう。今後は獲得した5.2万件の顧客をベースに商材の拡充などで、23/9期経常利益60億円の中期経営計画を発表済み。投資評価は「1」(Buy)で新規にカバー開始。中期視野で目標株価は21/9期予想PER15倍の2,700円とする。
予想ROE:-35.7% PBR:3.0倍、来期予想PER:9.1倍、来期予想EPS成長率:na%
株価(9/18終値):1,141円 Fモデルによる理論株価:na円(9月14日by山田順一)

●大研医器(7775)【 2+→2+】
「通期TIW予想を修正。株価の見方は従来通り」
21/3期1Q(4-6月)は外来患者数の減少や手術の延期などを受け、特に4~5月の売上は大きく減少したようで、吸引器関連・注入器関連ともに1Qは2桁の減収を記録。 2Q(7-9月)に入り前年に近い売上水準まで戻りつつある模様だが、病院は新型コロナで経営状態が悪化しており、価格圧力が強まる可能性もあり、今後の動向に注意したい。会社側は未定としていた通期業績予想を公表。
1Qを収益の底として、2Qでかなり前年に近い売上水準まで戻る見通しだ。前年の一過性要因を除く実態では9%前後の営業減益を想定している模様。新型コロナの影響は前回TIW予想ほど大きくなさそうだが、下期を会社計画より保守的に見て、今回通期TIW予想を見直した。
予想ROE:12.8% PBR:3.0倍、来期予想PER:19.7倍、来期予想EPS成長率:15%
株価(9/18終値): 563 円 Fモデルによる理論株価:429円(9月14日by服部隆生)

●VTホールディングス(7593)【 2+→1】
「21/3期通期計画を上方修正、なお上振れ余地があろう」
住宅関連事業でのM&Aの影響の反映が大きいとはいえ21/3期計画を上方修正し、21/3期は新型コロナ禍で通期計画が増益見通しに転じたことがポジティブ。今後、日産自動車、ホンダの両社から新型車の投入が売れ筋車種・セグメントで多いことを踏まえると上方修正後の新計画にはなお上振れ余地が大きいとみる。近年、業績は新型車不足で苦戦が続いたが、一方で基盤顧客拡大に注力し、サービス部門の強化を図ってきたこと、今後は日産から新型車攻勢が期待されることなどから、TIWでは21/3期1Q(4-6月)を大底に上向き回復基調となる公算が大きいとみる。更には予想配当利回りでみれば株価に割安感があるため投資評価は今般、目標株価を630円に投資評価「1」へ引き上げる。
予想ROE:9.2% PBR:1.4倍、来期予想PER:12.8倍、来期予想EPS成長率:3%
株価(9/18終値):430円 Fモデルによる理論株価:271円(9月17日by高田悟)

 

TIWではコンセンサス・データ等を利用して、独自に日経平均の今期 予想ベース、来期予想ベースのROE、PBR、リスクプレミアム等を算出 しております。
(詳しくは、以下のサイトをご覧下さい)〔http://column.ifis.co.jp/category/market/tiw
こうして算出したマーケット参考値と個別企業の株価指標を比較し、 さらにアナリストの予想を加味して選択をしています。
※文中のROE、PBR、PER等の数値は、特に断りが無い限りは、 レポート発行時に算出した値です。

株式会社ティー・アイ・ダヴリュ
独立系証券リサーチ会社TIWのアナリスト陣が、株式市場における時事・トピックスや業界動向など、取材に基づいたファンダメンタル調査・分析を提供するともに、幅広い視野で捉えた新鮮な情報をお届けします。