今週の注目レポート (3月14日)
【F’sセレクション】
チーフ・アナリスト藤根靖晃が、直近1週間に発行された全レポートから独自の視点(ROE・財務レバレッジ・PBR水準等)で、注目銘柄をピックアップします。
●日精エー・エス・ビー機械(6284)【 2+→2+】
「ベース受注が切り上がり、1Q受注は過去最高の120億円台に到達」
25/9期1Q(10-12月)は成形機が日本やインドなどで好調に伸び、売上・営業利益は過去最高を更新。受注も初めて120億円台に到達。受注増は超大口案件が寄与した訳ではなく、中小型機や金型・部品の幅広い伸びに支えられた、バランス良い形での進捗とTIWでは捉えている。インストールベースの拡大が金型・部品の安定拡大に繋がっているとみる。会社側は通期業績予想を据え置いている。2Q(1-3月)も1Q並みの高水準の受注が続く公算は低いとみるが、ベース受注が切り上がっており、四半期で100億円前後の受注は続く可能性がある。今後の受注動向にもよるが、足元で減速感の出てきた地域は特段なく、通期業績に若干上乗せ余地も出てきたとTIWでは判断し、通期TIW予想を小幅修正する。
予想ROE:11.7% PBR:1.4倍、来期予想PER:10.4倍、来期予想EPS成長率:17%
株価(3/14終値):5,100円 Fモデルによる理論株価:8053円(3月10日by服部隆生)
●デンソー(6902)【 1→1】
「3Q累計は車両生産台数が伸びぬ中で営業過去最高益」
25/3期3Q累計(4-12月)は顧客OEMの生産台数が伸びず操業度が悪化しても大幅営業増益、3Q累計として営業過去最高益を確保し、収益力の向上を示す決算となった。また、通期でも操業度の悪化影響をこなし営業過去最高益更新の見通しである。そして、顧客の生産台数が伸びぬ状況下でも、電動化(3Q累計は全体の売上が伸びぬ中でもエレクトリフィケーションシステムの販売物量は増加)及びADAS関連製品の装着拡大が着実に図られており、内燃機関製品から環境・安全といった成長分野へのポートフォリオの入れ替えが順調に進展していることが評価できる。TIWでは成長分野の伸張により中期的に一段の収益力向上が進むとみることに加え、株価指標面にも割安感(25/3期TIW予想PER12.6倍等)があるため、目標株価は3,600円を維持し投資評価は「1」を継続する。
予想ROE:7.7% PBR:1.1倍、来期予想PER:10.9倍、来期予想EPS成長率:15%
株価(3/14終値):1,942.5円 Fモデルによる理論株価:2320円(3月12日by高田悟)
TIWではコンセンサス・データ等を利用して、独自に日経平均の今期予想ベース、来期予想ベースのROE、PBR、リスクプレミアム等を算出しております。
算出したマーケット参考値と個別企業の株価指標を比較し、さらにアナリストの予想を加味して選択をしています。
※文中のROE、PBR、PER等の数値は、特に断りが無い限りは、レポート発行時に算出した値です。
