今週の注目レポート (3月15日)

【F’sセレクション】
チーフ・アナリスト藤根靖晃が、直近1週間に発行された全レポートから独自の視点(ROE・財務レバレッジ・PBR水準等)で、注目銘柄をピックアップします。


●スマートドライブ(5137)【 1→1】

「1Qは3四半期ぶりの赤字も、24/9期は初の通期黒字化へ」
投資評価「1(Buy)」を継続。前回TIW業績予想を据え置くとともに、目標株価2,620円を維持する。24/9期1Q(10~12月)の連結業績は、売上高514百万円(前年同期比26%増)、営業損益は8百万円の赤字(前年同期は29百万円の赤字)。四半期営業損益は、一時要因が重しとなり、2四半期連続の黒字から再度赤字へと転じた。TIWでは24/9期業績を、売上高2,225百万円(同30%増)、営業利益141百万円と予想。初の通期黒字化を達成しよう。「2024年問題」並びに「アルコールチェック義務化」を追い風に、「SmartDrive Fleet」を主軸とした車両管理サービスの拡販が見込める。25/9期TIW予想は、売上高2,542百万円(同14%増)、営業利益は371百万円(同163%増)。
予想ROE:24.1% PBR:23.1倍、来期予想PER:35.3倍、来期予想EPS成長率:132%
株価(3/15終値):1691円 Fモデルによる理論株価:560円(3月13日by岩元泰晶)

●AeroEdge(7409)【 2+→1】
「株価下落を受け投資評価を引き上げ、上期は円安効果等で会社想定以上に」
投資評価を「1(Buy)」へと引き上げる。前回評価時からの株価下落により、株価指標面における割安感が一段と強まったものと判断する。24/6期上期業績は、売上高1,455百万円(前年同期比4%増)、営業利益184百万円(同2%減)となった。チタンアルミブレード販売数量は概ね会社想定どおり。新規受託開発案件並びに円安効果については、会社想定を上回った。通期会社予想は据え置き。航空業界におけるサプライチェーンの毀損や人手不足が今後解消に向かうことで、収益は下期偏重となる見通し。同社は、今後5年を目途に、新たな航空機市場並びに航空機以外の市場における量産案件を手がけるとともに、新材料開発や保守技術開発を推進し、新市場への参入を果たすとしている。
予想ROE:37.0% PBR:4.2倍、来期予想PER:16.5倍、来期予想EPS成長率:-11%
株価(3/15終値):2752円 Fモデルによる理論株価:2973円(3月15日by岩元泰晶)

●中央自動車工業(8117)【 1→1】
「コーティング剤が好調、TIWは順調な計画進捗から24/3期計画上振れを見込む」
TIWでは目標株価は25/3期業績予想に基づき見直し、今般前回の5,530円から6,850円に引き上げ、投資評価は「1」(Buy)を維持する。その理由は、(1)同社業績には国内自動車生産の影響が大きいが、自動車生産が減少した際にも、主力の新車ディーラー向けケミカル製品(主にコーティング剤)販売での新規開拓、高付加価値商材の拡販、シェア拡大の推進等により増益を確保し増益基調を続けていることが先ずは評価できる、(2)24/3期はアルコール検知器販売が前年の法改正前の高需要の反動で大幅に落ち込むが、半導体供給改善に伴う自動車生産復調により頗る好調で、着地は計画上振れが見込めること、(3)25/3期も営業段階増益、営業過去最高益更新の公算が大きいとTIWではみること、以上を踏まえると(4)25/3期TIW予想PER11.8倍などの株価指標面にも割安感強いことなどによる。
予想ROE:17.6% PBR:2.2倍、来期予想PER:11.8倍、来期予想EPS成長率:12%
株価(3/15終値):5300円 Fモデルによる理論株価:7212円(3月15日by高田悟)

 

TIWではコンセンサス・データ等を利用して、独自に日経平均の今期予想ベース、来期予想ベースのROE、PBR、リスクプレミアム等を算出しております。
算出したマーケット参考値と個別企業の株価指標を比較し、さらにアナリストの予想を加味して選択をしています。
※文中のROE、PBR、PER等の数値は、特に断りが無い限りは、レポート発行時に算出した値です。

株式会社ティー・アイ・ダヴリュ
独立系証券リサーチ会社TIWのアナリスト陣が、株式市場における時事・トピックスや業界動向など、取材に基づいたファンダメンタル調査・分析を提供するともに、幅広い視野で捉えた新鮮な情報をお届けします。