今週の注目レポート (2月17日)

【F’sセレクション】
チーフ・アナリスト藤根靖晃が、直近1週間に発行された全レポートから独自の視点(ROE・財務レバレッジ・PBR水準等)で、注目銘柄をピックアップします。

●ミネベアミツミ(6479)【 2+→2+】
「来24/3期は機械加工品と電子機器の回復が収益を牽引すると予想」
23/3期3Q(10-12月)営業利益は機械加工品と電子機器等で計画に届かなかった。データセンター関連の投資が急減速したことも一因。HDD関連では顧客の在庫調整が完了した模様で、4Q(1-3月)中に流通在庫の整理も進むとみられる。4Qにベアリングで稼働抑制を行うことなどもあり、会社側は通期利益予想を引き下げた(営業利益で150億円の減額)。来24/3期は、機械加工品と電子部品の収益回復をドライバーに、更に新規連結した事業の収益も加わることで、今期比1~2割の営業増益は可能とTIWでは見ている。新規連結事業では中期的なシナジー発現が期待される。
予想ROE:12.5% PBR:1.7倍、来期予想PER:12.2倍、来期予想EPS成長率:20%
株価(2/17終値):2,420円 Fモデルによる理論株価:2,748円(2月13日by服部隆生)

●いすゞ自動車(7202)【 1→1】
「TIWは生産制約改善と価格対応による堅調な業績展開を引き続き見込む」
23/3期3Q累計は前年同期比33.2%営業増益。目標株価は先ずは従来からの2,240円を維持し投資評価は「1」を継続する。理由は、3Q単独決算で生産制約がある中で国内外で台数を伸ばし、資材費・物流費高騰影響を受けるも為替のプラス影響240億円がなくても確り増益を確保したことが評価できる、24/3期も連続で2桁営業増益を見込むこと、23/3期TIW予想ROE9.97%に対し実績PBRは0.96倍などの株価指標面にも割安感が強いこと、などによる。
予想ROE:10.0% PBR:1.0倍、来期予想PER:7.6倍、来期予想EPS成長率:13%
株価(2/17終値):1,641円 Fモデルによる理論株価:2,499円(2月13日by高田悟)

●ヤマハ発動機(7272)【 1→1】
「23/12期は連続で営業過去最高益更新を計画、二輪車と大型船外機好調を想定」
TIWでは目標株価は4,820円を維持し、投資評価は「1」(Buy)を継続する。理由は、22/12期決算では、為替の追い風があったとはいえ、生産制約やコストアップ影響を規模拡大等でこなし営業過去最高益を確保したこと、年間配当金予想の前回からの増配を発表したことなどが評価できる、23/12期は円高を想定も、金融サービス事業を除く全ての事業で増益を見込み、同社が連続で営業過去益更新と増配を計画したことがポジティブである、TIWでは23/12期は同社計画上振れを見込むこと、また、新興国二輪車でのプレミアム領域拡大、需要好調が持続する大型船外機の生産能力増強、ロボティクス事業の成長などによりTIWでは中期的にも堅調な業績展開を見込むこと、更には、株価指標面に割安感が強いこと、などによる。
予想ROE:15.7% PBR:1.2倍、来期予想PER:6.1倍、来期予想EPS成長率:9%
株価(2/17終値):3,385円 Fモデルによる理論株価:6,543円(2月16日by高田悟)

 

TIWではコンセンサス・データ等を利用して、独自に日経平均の今期予想ベース、来期予想ベースのROE、PBR、リスクプレミアム等を算出しております。
算出したマーケット参考値と個別企業の株価指標を比較し、さらにアナリストの予想を加味して選択をしています。
※文中のROE、PBR、PER等の数値は、特に断りが無い限りは、レポート発行時に算出した値です。

株式会社ティー・アイ・ダヴリュ
独立系証券リサーチ会社TIWのアナリスト陣が、株式市場における時事・トピックスや業界動向など、取材に基づいたファンダメンタル調査・分析を提供するともに、幅広い視野で捉えた新鮮な情報をお届けします。