今週の注目レポート (12月16日)
【F’sセレクション】
チーフ・アナリスト藤根靖晃が、直近1週間に発行された全レポートから独自の視点(ROE・財務レバレッジ・PBR水準等)で、注目銘柄をピックアップします。
●VTホールディングス(7593)【 2+→2+】
「通期計画を上方修正、今期2度目となる修正計画にはなお上振れ余地があろう」
TIWでは投資評価は「2+」を維持する。その理由は、23/3期上期(4-9月)はメーカーの生産遅延の影響から国内で新車販売台数が伸び悩み、中古車販売台数も商品不足から前年を下回る厳しい事業環境下にあったが、それでも、中核自動車販売関連の全部門で粗利益を伸ばし大幅営業増益確保の好決算となった、中間時点での今期2度目の計画上方修正により23/3期は前回の1桁から2桁営業増益見通しに転じた、TIWは修正後の通期計画にはなお上振れ余地があるとみる、更には、株価指標面(23/3期TIW予想PER7.3倍、予想配当利回り4.58%等)に割安感が強い、などによる。
予想ROE:13.8% PBR:1.0倍、来期予想PER:6.7倍、来期予想EPS成長率:9%
株価(12/16終値):510円 Fモデルによる理論株価:848円(12月12日by高田悟)
●ブリヂストン(5108)【 2+→2+】
「全ての財の販売が前年を上回り、プレミアム領域でシェアを伸ばす、販売は好調」
投資評価は「2+」を維持。22/12期3Q累計(1-9月)期間は未曾有の原材料価格高騰、インフレ進行、欧州での地政学リスクの高まりなど厳しい事業環境下にあった。それでも、原材料高騰やインフレ影響などのマイナス影響を数量増、価格・MIXの改善効果などで吸収し、継続事業ベースで3Q累計でも、3Q単独でも大幅増収となり、2桁増益(調整後営業利益)を確保したこと、稼ぐ力の再構築(生産拠点・事業再編、経費・コスト構造化改革)を進めてきた中で調整後営業利益率は10%以上を各四半期で維持していること、などが評価できる。また、中間時点に続き3Q累計決算公表時点での22/12期計画の再上方修正はポジティブであり、TIWでは23/12期も堅調な業績展開を見込むこと、更には株価指標面にも特段割高感がないため投資評価は「2+」を維持する。
予想ROE:9.5% PBR:1.2倍、来期予想PER:10.6倍、来期予想EPS成長率:31%
株価(12/16終値):4,959円 Fモデルによる理論株価:7,158円(12月15日by高田悟)
TIWではコンセンサス・データ等を利用して、独自に日経平均の今期予想ベース、来期予想ベースのROE、PBR、リスクプレミアム等を算出しております。
算出したマーケット参考値と個別企業の株価指標を比較し、さらにアナリストの予想を加味して選択をしています。
※文中のROE、PBR、PER等の数値は、特に断りが無い限りは、レポート発行時に算出した値です。