3月13日妥当レンジ 17,200円~18,600円
日経平均17,000円割れは、本当に大底か!?

2020/03/17

【「IFIS/TIWコンセンサス225」によるマーケットの妥当レンジの推計】

投資のポイント 

<リーマンショック以上のインパクトの可能性も>
■16日の米ダウ工業株30種平均は、前週末比▲2,997ドル安(▲12.9%)の2万188ドルと過去最大の下げ幅を塗り替えた。FRBが15日に開いた緊急FOMCにおいて1.0%の大幅利下げを行い政策金利を0.0~0.25%に引き下げたことがかえって市場不安を増幅したとみられている。
■日銀も16日に金融政策決定会合を前倒しして、ETFの買入目標額を年6兆円から12兆円に拡大。同時にコマーシャルペーパーと社債の買入枠2兆円を新設するとともに、金融機関に原資をゼロ金利で貸し付ける制度を新設し、中小企業の資金繰りを支援する。
■主要7カ国(G7)首脳は、16日に緊急テレビ会議を開き、「金融・財政政策を含むあらゆる手段を動員する」との共同声明を発表し、公衆衛生政策、雇用・経済対策、貿易・投資、科学・研究・技術面での連携促進を打ち出した。
■しかし、こうした政策が市場に対して効果を発揮するには新型コロナウイルスによる感染に歯止めがかかることが前提となる。17日12時現在(ジョンズ・ホプキンズ大)の感染者数は182,185人(前日比・約1万5千人増)、死者数は7,148人(同・約700人増)と拡大ペースが強まっている。沈静化の兆しが見えてこない限り、市場の不安は後退しないだろう。
■引き続き、新型コロナウイルスの感染拡大に抑制効果が表れること、その抑止効果の反動による経済活動悪化の実態が見通せるまでは、まだ底打ちとはならないと考える。前回のレポートにおいて「17,000円台前半を大底と想定」と述べたが、撤回する。国境の閉鎖など人の移動が制限されることや生産活動の低下や消費の冷え込みによる経済の悪化は、リーマンショックを超える可能性もあると考える(従って、リーマンショック時のPBRもサポートにならない)。また、大規模な財政政策の発動によって、将来の高インフレの可能性も視野においておく必要もありそうだ。
■来期の日経平均の予想EPSは、少なく見積もっても今期予想EPS(1,214.69円・13日現在)を下回ると考える。予想EPS1,200円の13倍、15,600円をボトム水準と現時点では想定する。

 

 

◇日経平均妥当水準(レンジ)

17,200円~18,600 (前回19,000円~20,600円)

*「IFIS/TIWコンセンサス225」(3月13日)来期予想ベースEPSをもとに算出

◇IFIS/TIWコンセンサス225(3月13日)

今期予想EPS 1214.69 (前週1214.71円)
来期予想EPS 1346.25 (前週1357.47円)
再来期予想EPS 1478.81 (前週1486.78円)
今期予想PER 14.35 (前週17.08倍)
来期予想PER 12.95 (前週15.29倍)
再来期予想PER 11.79 (前週13.96倍)
来期予想PBR 0.81 (前週0.96倍)
来期予想ROE 6.27% 前週 6.26%)
来期予想
インプライド・リスク・プレミアム
6.85% (前週 6.52%)

3月13日経平均終値より、PER、PBR、ROE等を算出

  

  


PBRは既にリーマンショック割れ。妥当レンジは今週以降も下方シフトが予想される。

来期予想ベースのプラス企業比率は、 45.734.441.831.328.1
再来期予想ベースのプラス企業比率は、43.339.747.338.334.6
6週連続で全期間50%割れ!! 来期ベースは20%台にまで低下
!!

[注:4~5月は例年、対象決算期変更の影響があるのでイレギュラーな値になることに留意]

出所:IFISコンセンサスを基にTIW作成
いずれも2014年1月から表示

313日時点の移動平均予想EPS1,323.48円。PER14.0倍で18,528円、13.5倍で17,867円、13.0倍で17,205円。
ただし、来期の予想EPSは今期(1,214.69円)より低下する可能性も出てきた。仮に1,200円と置くと、PER14.0倍で16.800円、13.5倍で16,200円、13.0倍で15,600
円。この水準も意識しておく必要がありそうだ。

東証1部の予想配当利回りは、2.71%とさらに上昇。
サポートが全く働かず。

 

 

「IFIS/TIWコンセンサス225」について
IFIS/TIWコンセンサス225」は、株式会社アイフィスジャパンが集計しているアナリストコンセンサス・データ等を原データとして、2009年4月より株式会社ティー・アイ・ダヴリュが東証株価指数(日経225)に対応するように構成銘柄のEPSを算出・集計したものである。今期予想EPS、来期予想EPSの変化を追うことによって、マーケット全体の業績見通しを確認する。
理論上では株価は、自己資本配当率(ROEと配当性向の積)、EPS成長率、無リスク証券の利回り(国債利回り)、リスクプレミアムの4要素で決定される。株価をこれら構成要素に分解することによって、株価変動の要因について考察するとともにファンダメンタルからの妥当な株価(マーケット)水準を思量する。なお、リスクプレミアムを正確に計測することは、一定期間を経た後でないと困難なことであることから、当レポートではインプライド・リスクプレミアム(株価と他の構成要素からの逆算値)を使用している。
4つの構成要素の内、株価の短期的な変動に最も影響を与えるのがリスクプレミアムである。リスクプレミアムは、無リスク証券の金利に対して投資家が要求する上乗せ金利と定義されるが、投資家心理(マーケットセンチメント)、他の投資対象(金融商品)との利回り格差の変動などによって変化する。長期的な見通しの変化が無い中では、インプライド・リスクプレミアムは一定のレンジ内で推移する傾向にある。日経平均株価の妥当水準を算出には、インプライド・リスクプレミアムの一定レンジからの逆算によって行っている。
〔今期予想ベースEPS、来期ベースEPSにおける“今期”、“来期”の取扱い〕
会計上の業績計測期間ではなく、本決算発表を基準とする。例えば、2011年4月30日現在では、2011年3月期は決算発表前であれば今期、決算発表が行われていれば前期、となる。
〔予想EPS増減社数〕
今期ベースならびに来期ベースを示している。週間(週末値)のデータを基に、前週末に比べてEPSが増加・変化無し・減少した企業の数。
〔予想PBR(今期末)〕
前期末BPS(1株純資産)に今期予想EPSを加えて、予想DPS(1株配当)を控除した値(=予想BPS)で株価を除した数値。中間配当は考慮していない。
〔予想ROE(来期ベース)〕
前述の予想BPSで来期予想EPSを除した値。
〔リスクプレミアム〕
特に断りの無い限りインプライド・リスクプレミアムを表す。計算式は、{ 1-予想配当性向×(1-予想B/Pレシオ)}×予想ROE-無リスク証券利回り

 

株式会社ティー・アイ・ダヴリュ
TIWマガジン「投資の眼」   株式会社ティー・アイ・ダヴリュ
独立系証券リサーチ会社TIWのアナリスト陣が、株式市場における時事・トピックスや業界動向など、取材に基づいたファンダメンタル調査・分析を提供するともに、幅広い視野で捉えた新鮮な情報をお届けします。