3月15日妥当レンジ 20,600円~22,300円
FOMC通過で緩和期待一旦織り込み済みの展開を予想

2019/03/19

【「IFIS/TIWコンセンサス225」によるマーケットの妥当レンジの推計】

 
投資のポイント

<決して良くはない経済指標>
■ここのところ発表される経済指標は、どれも芳しくはない。米国は小売売上高(11日)が市場予想を上回ったものの(ただし、前月分が下方修正されているので実質は期待以下)、新築住宅販売件数(14日)、鉱工業生産指数(15日)ともに予想を下回った。中国も1-2月の鉱工業生産(14日)が奮わなかった。国内も法人企業景気予測調査(12日)で大企業全産業の景気判断指数がマイナスとなった。日銀金融政策決定会合(15日)では総括判断は据え置かれたものの、輸出と生産の判断が引き下げられた。2月の貿易統計(18日)では輸出額が前年同月比▲1.2%と3ヵ月連続マイナスであった。
■英国のEU離脱問題で、離脱の延期を求める決定を行ったが(14日)、20日までに離脱合意案を英議会が承認することが前提。しかし、これに対してバーカウ英下院議長が同一内容の合意案を同じ会期中には採決できないとの声明を発表。20日での合意案承認を前提とした離脱延期であるだけに英離脱問題は一段と混沌としている。
■今週は、19-20日に米FOMCが予定されている。FOMCメンバーによる金利予想(ドットチャート)並びに、年内のバランスシート縮小の打ち切りが明言されるかに注目が集まっている。市場の緩和期待が大きいだけに、FRBが予想外にタカ派であったりすれば市場の失望を招くことになるが、他方でハト派過ぎても緩和期待の織り込みによる材料の一旦出尽くしとなることも考えられる。日本株に関しては加えて円高リスクも考えられる。

<「コンセンサスDI」は来期ベースで21週連続50%割れ>
■「IFIS/TIWコンセンサス225」(アナリストコンセンサス予想EPSを225型に集計)は、今回も全ての期間で前週比マイナス。「コンセンサスDI」(前週比プラス企業とマイナス企業の比率)も全期間で50を下回る状態が続いている。
■景気減速感が強まる中で、金融緩和・財政政策への期待等から株式市場は堅調に推移しているが、FOMCが下落のトリガーになるかが注目される。

 

 

 

◇日経平均妥当水準(レンジ)

20,600円~22,300 (前回20,300円~22,000円)

*「IFIS/TIWコンセンサス225」(3月15日)来期予想ベースEPSをもとに算出

◇IFIS/TIWコンセンサス225(3月15日)

今期予想EPS 1373.56 (前週 1376.39円)
来期予想EPS 1464.68 (前週 1469.57円)
再来期予想EPS 1508.67 (前週 1512.92円)
今期予想PER 15.62 (前週 15.28倍)
来期予想PER 14.65 (前週 14.31倍)
再来期予想PER 14.22 (前週 13.90倍)
来期予想PBR 1.08 (前週 1.06倍)
来期予想ROE 7.37% 前週 7.40%)
来期予想
インプライド・リスク・プレミアム
7.22% (前週 7.30%)

3月15日経平均終値より、PER、PBR、ROE等を算出

 

 





図1
日経平均株価は妥当レンジ中位を上回ってきた。

 




図2
来期予想ベースのプラス企業比率は、 
40.639.338.232.036.4
再来期予想ベースのプラス企業比率は、34.848.141.237.245.5
来期ベースでは21週連続50%割れ。

 [注:4~5月は例年、対象決算期変更の影響があるのでイレギュラーな値になることに留意]




出所:IFISコンセンサスを基にTIW作成
いずれも2014年1月から表示

 

 

 

 

「IFIS/TIWコンセンサス225」について
IFIS/TIWコンセンサス225」は、株式会社アイフィスジャパンが集計しているアナリストコンセンサス・データ等を原データとして、2009年4月より株式会社ティー・アイ・ダヴリュが東証株価指数(日経225)に対応するように構成銘柄のEPSを算出・集計したものである。今期予想EPS、来期予想EPSの変化を追うことによって、マーケット全体の業績見通しを確認する。
理論上では株価は、自己資本配当率(ROEと配当性向の積)、EPS成長率、無リスク証券の利回り(国債利回り)、リスクプレミアムの4要素で決定される。株価をこれら構成要素に分解することによって、株価変動の要因について考察するとともにファンダメンタルからの妥当な株価(マーケット)水準を思量する。なお、リスクプレミアムを正確に計測することは、一定期間を経た後でないと困難なことであることから、当レポートではインプライド・リスクプレミアム(株価と他の構成要素からの逆算値)を使用している。
4つの構成要素の内、株価の短期的な変動に最も影響を与えるのがリスクプレミアムである。リスクプレミアムは、無リスク証券の金利に対して投資家が要求する上乗せ金利と定義されるが、投資家心理(マーケットセンチメント)、他の投資対象(金融商品)との利回り格差の変動などによって変化する。長期的な見通しの変化が無い中では、インプライド・リスクプレミアムは一定のレンジ内で推移する傾向にある。日経平均株価の妥当水準を算出には、インプライド・リスクプレミアムの一定レンジからの逆算によって行っている。
〔今期予想ベースEPS、来期ベースEPSにおける“今期”、“来期”の取扱い〕
会計上の業績計測期間ではなく、本決算発表を基準とする。例えば、2011年4月30日現在では、2011年3月期は決算発表前であれば今期、決算発表が行われていれば前期、となる。
〔予想EPS増減社数〕
今期ベースならびに来期ベースを示している。週間(週末値)のデータを基に、前週末に比べてEPSが増加・変化無し・減少した企業の数。
〔予想PBR(今期末)〕
前期末BPS(1株純資産)に今期予想EPSを加えて、予想DPS(1株配当)を控除した値(=予想BPS)で株価を除した数値。中間配当は考慮していない。
〔予想ROE(来期ベース)〕
前述の予想BPSで来期予想EPSを除した値。
〔リスクプレミアム〕
特に断りの無い限りインプライド・リスクプレミアムを表す。計算式は、{ 1-予想配当性向×(1-予想B/Pレシオ)}×予想ROE-無リスク証券利回り

 

株式会社ティー・アイ・ダヴリュ
TIWマガジン「投資の眼」   株式会社ティー・アイ・ダヴリュ
独立系証券リサーチ会社TIWのアナリスト陣が、株式市場における時事・トピックスや業界動向など、取材に基づいたファンダメンタル調査・分析を提供するともに、幅広い視野で捉えた新鮮な情報をお届けします。