原油市場の2018年の振り返りと19年の見通し 減産合意が遵守されれば、価格は堅調な展開へ
原油市場の2018年の振り返りと19年の見通し
【ポイント1】年末にかけ急落した原油価格
■2018年の原油価格は、北米の代表的な指標であるWTI先物価格で見て、年初1月2日の1バレル当たり60.37ドルから10月3日の同76.41ドルまで上昇しましたが、これを当面のピークに下落に転じ、11月下旬以降は同50ドル近傍で推移しています。12月12日の同51.15ドルまでの年初来では、15.3%の下落となりました。年間の騰落率がマイナスとなれば、15年以来3年ぶりとなります。
【ポイント2】主要産油国は減産で合意
■原油価格下落の要因は、米中貿易摩擦による中国経済の減速と、それに伴う原油需要の減退が懸念されたこと、石油輸出国機構(OPEC)加盟国や米国で生産が拡大していること等です。
■価格下落に対して、OPEC加盟国にOPEC非加盟の主要産油国を合わせた「OPECプラス」は12月初旬に開催した会合で、日量120万バレル規模の減産を実施することで合意しました。この減産は、19年1月から当初6カ月間で行われる予定です。
【今後の展開】19年は堅調な展開を予想
■原油需要は、中国やインドを牽引役に今後、緩やかな増加が見込まれます。OPEC月報の18年12月号によれば、18年の原油需要量は世界全体で日量9,879万バレル、前年比1.5%増、19年は同じく1億バレル、同1.3%増と予想されています。ただし、米中の通商・ハイテク摩擦の激化が実体経済の減速を招き、原油需要を下押しするリスクには注意が必要です。
■一方、原油の供給量は18年1~9月実績で日量9,833万バレルと需要量を下回りました。輸送能力の限界等から、米国シェールオイルの大幅な増産が困難な状況にあることを踏まえると、「OPECプラス」の減産合意が遵守されれば、原油需給は改善し、価格も安定に向かうと予想されます。
(2018年12月13日)
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