中国株式市場の動向(2018年9月)下落続くも景気対策や元安回避策で徐々に持ち直しへ

2018/09/07

中国株式市場の動向(2018年9月)

20180907ch1

【ポイント1】8月の中国株は引き続き軟調
弱めの経済指標で景気の下振れ不安が高まる

■8月の中国株式市場は、米中貿易摩擦の激化が警戒され、引き続き軟調な展開となりました。更に、人民元安の進行に加えて、トルコリラが急落したことで資金流出への警戒感が高まるなか、7月の主要経済指標が軒並み市場予想を下回ったことから景気の下振れ不安が広がりました。上海総合指数は17日に2年7カ月ぶりの安値を付けました。その後は、「国家隊」と呼ばれる政府系機関による中国本土株の買い支え観測や中国政府による元安回避策などが好感され、反発地合いとなりました。ただ、月末にかけては貿易摩擦激化への警戒感から上値の重い展開となりました。

【ポイント2】元安の阻止に動き始めた中国政府
「反循環的要素」を再導入

■中国人民銀行は8月24日、人民元の基準レート算出にあたり、「反循環的要素」を再導入したと発表しました。過去の実績では、この仕組みの導入後は元高となっています。中国政府は元安に歯止めをかける意思表示をしたと考えられます。あわせて、中国政府は7月下旬に景気支援の方針を決定しており、今後インフラ投資などが持ち直す見通しです。これも元安阻止に一役買うとみられます。

【今後の展開】株式市場は徐々に持ち直しへ

■米利上げの継続に伴い、新興国からの資金流出圧力がかかるなか、米国が2,000億米ドル相当の対中追加関税を発動する可能性があるため、中国株式市場は目先上値の重い展開となりそうです。ただし、中国政府が景気下支えのための景気刺激策や元安回避策を打ち出していることから、景気の大きな下振れは回避される見通しです。株式市場は既に米中貿易摩擦の激化を織り込んで大きく調整している一方、産業の高度化などプラス要因に変化はなく、中期的には徐々に持ち直す可能性が高いと思われます。

(2018年 9月 7日)

印刷用PDFはこちら↓

中国株式市場の動向(2018年9月)下落続くも景気対策や元安回避策で徐々に持ち直しへ

関連マーケットレポート

2018年 9月 6日 アジア・マンスリー(2018年9月号)
2018年 9月 3日 中国の『PMI』は予想に反して上昇

三井住友DSアセットマネジメント株式会社
三井住友DS マーケット・レポート   三井住友DSアセットマネジメント株式会社
世界の経済やマーケットの動向や、マーケットで注目される旬なキーワードを運用のプロがわかりやすく、丁寧に説明します。
■当資料は、情報提供を目的として、三井住友DSアセットマネジメントが作成したものです。特定の投資信託、生命保険、株式、債券等の売買を推奨・勧誘するものではありません。
■当資料に基づいて取られた投資行動の結果については、当社は責任を負いません。
■当資料の内容は作成基準日現在のものであり、将来予告なく変更されることがあります。
■当資料に市場環境等についてのデータ・分析等が含まれる場合、それらは過去の実績及び将来の予想であり、今後の市場環境等を保証するものではありません。
■当資料は当社が信頼性が高いと判断した情報等に基づき作成しておりますが、その正確性・完全性を保証するものではありません。
■当資料にインデックス・統計資料等が記載される場合、それらの知的所有権その他の一切の権利は、その発行者および許諾者に帰属します。
■当資料に掲載されている写真がある場合、写真はイメージであり、本文とは関係ない場合があります。

三井住友DSアセットマネジメント株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第399号
加入協会:一般社団法人投資信託協会、一般社団法人日本投資顧問業協会、一般社団法人第二種金融商品取引業協会

このページのトップへ