中国で一段と加速する『自動運転車』開発

中国で一段と加速する『自動運転車』開発

次世代技術の『自動運転車』をめぐり、世界中で自動車大手企業に情報技術(IT)企業が加わり、激しい開発競争が繰り広げられています。こうしたなか、中国ではインターネット検索最大手の百度(バイドゥ)が存在感を示しています。百度は、中国政府の後押しや、自動運転技術を開発する 「アポロ計画」で世界企業と連携したことを追い風に、先頃世界で初めて「レベル4」の『自動運転車』を量産化しました。

【ポイント】百度が自動運転バス“アポロン”を披露

「レベル4」で世界初の量産

■百度は7月4日、『自動運転車』のバス“アポロン”を実用化したと発表しました。自動運転は5段階に分類されますが、自動運転バス“アポロン”は、そのうち技術レベルとしては2番目に高い、特定の場所での完全自動化運転である「レベル4」です。“アポロン”にはハンドルも運転席もなく、車内には客席しかありません。

■“アポロン”は百度と中国のバスメーカーのアモイ金龍連合汽車工業が共同で開発し、世界で初めて「レベル4」の『自動運転車』の量産が始まりました。百度によれば、“アポロン”は観光地や工場の敷地内などで使用でき、中国の未来都市「雄安新区」のほか、上海や深圳などで商業化に向けた取り組みが進んでいるようです。

【ポイント2】中国政府が百度を支援

世界的な大手企業と連携

■『自動運転車』の開発において、中国は米国に対し後発組でしたが、百度の存在感が増している背景には、中国政府の強い後押しに加え、百度が自動車やIT分野における世界の大手企業と提携したことがあります。

■中国政府は、国家プロジェクト「次世代人工知能発展計画」の自動運転分野でのリーダーとして百度を認定し、『自動運転車』の開発を積極的に支援しています。

■百度は2017年4月、自動運転の開発連合「アポロ計画」を始動しました。中国企業のほか、フォードやホンダなど世界企業約100社と組み、自動運転技術の開発で連携しています。

 

180801MK

 

【今後の展開】中国の高レベルの自動運転の商用化に注目

■中国政府は、多くの都市で、『自動運転車』の規制緩和を進めています。また、百度は、「アポロ計画」の提携企業との連携で大量のデータや技術にアクセスすることが可能になりました。こうした優位性を背景に、百度は、圧倒的なスピードを武器に、自動運転時代の到来とされる2020年に向けて高レベルでの自動運転の商用化を狙っています。今後も次世代のハイテク技術『自動運転車』における中国企業の動向が注目されます。

※個別銘柄に言及していますが、当該銘柄を推奨するものではありません。

(2018年 8月 1日)

印刷用PDFはこちら↓

中国で一段と加速する『自動運転車』開発

関連マーケットレポート

2018年 7月31日 世界No.1を目指す中国の『AI2030』戦略

2018年 6月29日 中国で進む『自動運転技術』の開発

三井住友DSアセットマネジメント株式会社
世界の経済やマーケットの動向や、マーケットで注目される旬なキーワードを運用のプロがわかりやすく、丁寧に説明します。
■当資料は、情報提供を目的として、三井住友DSアセットマネジメントが作成したものです。特定の投資信託、生命保険、株式、債券等の売買を推奨・勧誘するものではありません。
■当資料に基づいて取られた投資行動の結果については、当社は責任を負いません。
■当資料の内容は作成基準日現在のものであり、将来予告なく変更されることがあります。
■当資料に市場環境等についてのデータ・分析等が含まれる場合、それらは過去の実績及び将来の予想であり、今後の市場環境等を保証するものではありません。
■当資料は当社が信頼性が高いと判断した情報等に基づき作成しておりますが、その正確性・完全性を保証するものではありません。
■当資料にインデックス・統計資料等が記載される場合、それらの知的所有権その他の一切の権利は、その発行者および許諾者に帰属します。
■当資料に掲載されている写真がある場合、写真はイメージであり、本文とは関係ない場合があります。

三井住友DSアセットマネジメント株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第399号
加入協会:一般社団法人投資信託協会、一般社団法人日本投資顧問業協会、一般社団法人第二種金融商品取引業協会