『街角景気』は現状・先行き判断DIともに上昇

『街角景気』は現状・先行き判断DIともに上昇

「景気ウォッチャー調査」、いわゆる『街角景気』とは、景気に敏感なタクシー運転手や小売店、メーカー、輸送業、広告代理店など、地域の景気の動きを敏感に観察できる立場にある約2,000人を対象とした調査です。6月の『街角景気』の現状判断DIは、飲食関連が低下したものの、住宅・小売り関連が回復したことなどから前月から改善しました。先行き判断DIも上昇して、景気判断の分岐点となる50を2カ月ぶりに回復しました。

【ポイント】現状判断DIは48.1と前月より1.0ポイント改善

先行き判断DIも50.0ポイントと改善、景気分岐点の50ポイントを回復

■6月の『街角景気』によると、現状判断DIは前月から1.0ポイント改善して48.1(季節調整値)となりました。家計動向関連が上昇し、雇用関連も小幅に上昇しました。一方、企業動向関連は製造業、非製造業関連ともに低下しました。家計動向関連ではボーナス支給を見込んだ購入増などが指摘されています。

■先行き判断DIは前月から0.8ポイント上昇して50.0となり、景気判断の分岐点とされる50ポイントを再び回復しました。雇用関連は低下したものの、家計動向関連、企業動向関連は上昇しました。

【ポイント2】ウォッチャーのコメントを分析

現状は慎重、先行きには期待

■街角の声をより客観的に分析する、当社独自のテキストマイニングによる分析手法(*)によると、現状については、ポジティブな単語の使用比率が低下しており、コメントからみたウォッチャーの景況感は慎重だったようです。大阪北部地震に関連する用語や「節約」に関わる用語の使用頻度が増加しました。

■先行きについては、ポジティブな用語の使用比率が上昇しました。また「節約」に関わる単語に目立った上昇はみられず、「不安」に関わる用語の使用頻度も落ち着いていました。米中貿易摩擦への警戒はくすぶり、ガソリン高なども懸念材料ですが、一方で、資産市場が比較的落ち着いていたことやインバウンド消費や猛暑効果への期待などが、期待感をつないでいるとみられます。

(*)テキスト(文書)をコンピュータで探索する技術の総称。典型的な方法として、テキストにおける単語の使用頻度を測定し、テキストの特徴を統計的に分析・可視化することで、背後にある有益な情報を探ることができます。

 

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【今後の展開】インバウンド需要や天候による回復を期待

■内閣府は、『街角景気』について現状の基調判断を「緩やかな回復基調が続いているものの、一服感がみられる」、先行きについても、「人手不足、コストの上昇等に対する懸念もある一方、引き続き受注、設備投資等への期待がみられる」と据え置きました。米中貿易摩擦や西日本豪雨の影響は懸念されますが、インバウンド需要や猛暑効果などから、景況感が徐々に上向くことが期待されます。

(2018年 7月11日)

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