利上げを進める米国の金融政策(2018年6月)今年の利上げ予想を年3回から4回に上方修正
利上げを進める米国の金融政策(2018年6月)今年の利上げ予想を年3回から4回に上方修正
【ポイント1】政策金利を引き上げ
全会一致の決定
■6月12日~13日に開催された米連邦公開市場委員会(FOMC)は、市場の予想通り、政策金利(FFレート)の誘導レンジを0.25%引き上げ、1.75%~2.00%とすることを決定しました。全会一致の決定です。
【ポイント2】政策金利の予測を上方修正
経済見通しへの自信を深める
■FOMCの声明文によれば、「経済は堅調な速度で成長した」と評価し、前回5月の「緩やかな速度」から上方修正しました。
■FOMC参加者による経済見通しも、18年のGDP成長率と物価上昇率が小幅に上方修正される一方、失業率は18年~20年ともに下方修正されています。物価については、「先行きの動向を注意深く見守る」との評価が、声明文から削除されました。
■トランプ政権による拡張的な財政政策もあり、景気や物価の見通しに対する、FOMC参加者の自信が深まったことを示すものといえるでしょう。
■政策金利についても、FOMC1回当たりの利上げ幅を0.25%とすると、18年の予想利上げ回数が前回の3回から4回に上方修正されました。
【今後の展開】緩やかな利上げが継続される見通し
■今回の声明文では、従来の「政策金利は、長期的に妥当と見られる水準以下に維持される公算が大きい」との文言が削除されました。利上げが軌道に乗り、中立金利(景気を刺激も抑制もしない金利水準)に近づいてきたため、その文言が必要ないと判断されたと考えられます。
■今後の焦点は、「どの水準まで利上げが行われるか」になります。現時点で予想するのは難しいことですが、景気の拡大が続く一方、物価上昇のペースが急加速する可能性は低いと見られること等を踏まえると、3%前後の水準を目指して緩やかな利上げが継続されると思われます。
(2018年 6月14日)
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