2018年1-3月期の米国企業業績は好決算 20%増益が見込まれる2018年の米国企業業績
2018年1-3月期の米国企業業績は好決算 20%増益が見込まれる2018年の米国企業業績
【ポイント1】1-3月期は利益成長が加速
「資本財・サービス」が大幅増益
■S&P500種採用企業の2018年1-3月期決算は前年同期比+22.0%(トムソンロイター集計4月25日発表)となる見通しです。2017年10-12月期(同+14.8%)から伸びが加速しました。セクター別に見ると、「資本財・サービス」が同+24.4%と前期(同+1.8%)から伸びが大幅に加速しました。また、「金融」が同+29.3%(前期同+14.6%)、「情報技術」が同+28.3%(前期同+20.1%)と、伸びを加速させました。
【ポイント2】株価はほぼ織り込み済み
好業績の持続性に対する不透明感台頭
■好決算が続く中、米国株式市場は総じて上値の重い展開が続いています。昨年12月末に決定した減税を背景に業績予想の伸びは大きく上方修正されました。以後、株式市場は堅調に推移しましたが、現在は減税効果一巡後の好業績の持続性に対して不透明感が強まっていると考えられます。また、米中貿易摩擦の拡大懸念なども背景にありそうです。
【今後の展開】2018年は20%増益の見込み
■米中貿易摩擦については、①米中が相互に500億ドル分の輸入品に高関税をかけ、対象品目について貿易が50%減少、②米国が1,500億ドル、中国が500億ドル分の輸入品に高関税をかけ、対象品目について貿易が50%縮小、の2ケースについて試算しました。両試算をまとめると、海外売上高で1.7%の減少、輸入コストが0.6~1.7%程度上昇し、S&P500の1株当たり利益は1~2%程度減少する結果となり、2桁の利益成長は十分可能となりました。税制改革の波及効果やドル安、原油高などのポジティブな要因もあるため、企業業績に与える影響は限定的と考えられます。貿易摩擦に対する懸念が一巡し、業績見通しに対する不透明感が払拭されれば、米国株式市場は堅調さを取り戻すと思われます。
(2018年 4月26日)
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