『街角景気』天候要因のマインド下押し続く

2018/03/12

<今日のキーワード>『街角景気』天候要因のマインド下押し続く

「景気ウォッチャー調査」、いわゆる『街角景気』とは、景気に敏感なタクシー運転手やコンビニエンスストアの店長など、地域の景気の動きを敏感に観察できる立場にある約2,000人を対象とした調査です。2月の『街角景気』は現状判断DI、先行き判断DIともに前月から低下しました。当社独自のテキストマイニング分析の結果によると、前月に引き続き天候要因がマインド悪化に影響したようです。

【ポイント1】現状判断DIは3カ月連続低下して48.6に

先行き判断DIは50ポイントを上回る水準を維持

■2月の『街角景気』によると、現状判断DIは前月の49.9から1.3ポイント下落して48.6と、景気判断の分岐点とされる50ポイントを2カ月連続で下回りました。内訳項目の家計動向関連、企業動向関連、雇用関連の全てで前月よりDIが悪化しました。

■先行き判断DIは前月から1.0ポイント下落して51.4となりました。こちらも、家計動向関連、企業動向関連、雇用関連の全ての項目でDIが悪化しました。4カ月連続での低下となりましたが、景気判断の分岐点とされる50ポイントを引き続き上回っており、先行きへの期待感は維持されていると考えられます。

 

 

【ポイント2】ウォッチャーのコメントを分析

前月に続き天候要因がマインド下押し

■街角の声をより客観的に分析する、当社独自のテキストマイニングによる分析手法(*)によると、現状判断では「大雪」、「寒波」や、「野菜」、「高騰」といった単語が1月に続き多く使用されており、消費者マインドの悪化の主因と見られます。

■先行きについては、「節約」や「不安」に関わる単語の使用数が小幅に増加しました。また、2月に金融市場が大きく調整したことから「株価」、「為替」、「円高」といった単語も増加しました。ただし、いずれも変化は小幅であり、先行きへの期待感を損ねるほどではないと考えられます。

(*)テキスト(文書)をコンピュータで探索する技術の総称。典型的な方法として、テキストにおける単語の使用頻度を測定し、テキストの特徴を統計的に分析・可視化することで、背後にある有益な情報を探ることができます。

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【今後の展開】天候要因の回復がDI改善につながることを期待

■内閣府は、基調判断を「天候要因等により一服感がみられるものの、緩やかな回復基調が続いている。先行きについては、人手不足やコストの上昇に対する懸念もある一方、引き続き受注、設備投資等への期待がみられる」と据え置きました。気象庁発表の3カ月予報(3~5月)では、平均気温は平年並みか高くなることが予想されています。天候要因は徐々に落ち着きを見せており、天候要因の回復とともに景況感が上向くことが期待されます。

 

 

 

(2018年 3月12日)

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