メキシコの金融政策(2017年12月)0.25%の利上げ、物価上昇に強い警戒感
メキシコの金融政策(2017年12月)0.25%の利上げ、物価上昇に強い警戒感
【ポイント1】0.25%利上げ
インフレリスクの高まりに対応
■14日、メキシコ銀行(中央銀行、以下中銀)は金融政策決定会合で、政策金利(翌日物銀行間レート)を0.25%引き上げ、7.25%としました。
■足元のインフレリスクの高まりに対応し、利上げが実施されました。
【ポイント2】インフレは高止まり
追加利上げの可能性にも言及
■7日に発表された11月の消費者物価の前年同月比は+6.63%と、中銀の物価目標レンジ(+2~4%)を大きく上回って高止まりしています。足元では、LPガスをはじめとするエネルギー価格や野菜価格などの上昇が影響しています。
■中銀の声明文は、前回までは来年にかけて物価は低下傾向となると見ていたのに対し、今回はこうした足元の物価上昇に対して強い懸念を示しました。今後は中銀の物価目標に向けて、必要があれば追加の利上げを行う姿勢を示しています。
【今後の展開】ペソは神経質な展開が続く
■前日に米国が利上げを発表したため、今回のメキシコの利上げはある程度予想されていましたが、インフレリスクの高まりへの警戒の強さは市場参加者の間では意外感があったようです。物価を中銀目標に近づけるためにも、次回2月の会合でも利上げが実施される可能性があります。また中銀は、北米自由貿易協定(NAFTA)の再交渉で米国が離脱する可能性や、2018年夏に予定されている大統領選挙を受けて、通貨ペソが急落する可能性を指摘しており、ペソ安がインフレ圧力となることを警戒しています。
■今後は、メキシコの高い金利水準は魅力的ではあるものの、NAFTAの不透明感や物価の高止まりなどが懸念され、ペソ相場の重石となりそうです。
(2017年 12月 15日)
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