『名目GDP』の拡大は続く見通し

2017/11/16

<今日のキーワード>『名目GDP』の拡大は続く見通し

国内総生産(GDP)は一国の経済規模を示したもので、国内でどれだけの財やサービスが生み出されたかを示します。経済の規模や成長性を把握する際に用いられる指標です。実質GDPは名目GDPから物価変動(GDPデフレーター)の影響を除いたものです。アベノミクス開始以降は『名目GDP』は平均+2%程度の成長が続いていますが、7-9月期も前期比年率で+2.5%と順調に成長しました。

【ポイント1】7-9月期は前期比+0.3%

7四半期連続のプラス成長維持

■内閣府が15日発表した2017年7-9月期の実質GDP成長率(一次速報)は前期比+0.3%(前期比年率+1.4%)となりました。7四半期連続のプラス成長となり、市場予想(ブルームバーグ集計)の前期比年率+1.5%とほぼ一致し、海外経済の好調さが外需を押し上げ景気の回復傾向を確認する結果となりました。実質GDPの内訳は、内需が同▲0.2%、外需が同+0.5%の寄与度でした。

■項目別では、個人消費は夏場の悪天候の影響が反映されたものとみられ、前期比▲0.5%と7四半期ぶりにマイナスとなりました。一方、企業業績の回復や景況感の回復を背景に、設備投資は同+0.2%と4四半期連続プラスとなりました。米国向け自動車やアジアへの半導体の伸びなどから輸出は同+1.5%、輸入は同▲1.6%となりました。

 

 

【ポイント2】『名目GDP』は同+0.6%

純輸出が寄与

■また、『名目GDP』成長率は前期比+0.6%(前期比年率+2.5%)となりました。『名目GDP』の内訳は、内需が同0.0%、外需の寄与度が同+0.6%でした。

■GDPデフレーターは前年同期比+0.1%となり、5四半期ぶりにプラスとなりました。

■名目GDPは、デフレ期に入る直前の97年10-12月期に536.6兆円となって以来低迷し、それを上回ったのが2016年の7-9月期です。今年の7-9月期には545.8兆円にまで伸びて、過去最高を更新しました。

 

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【今後の展開】『名目GDP』は好調な外需などから拡大が続こう

■グローバル景気の回復が今後も続き、輸出の増加基調が見込まれます。国内でも雇用所得環境の堅調を背景に、個人消費は基調として底堅く推移し、景気全体としても緩やかな回復が継続すると予想されます。また物価も、前年比で小幅ながら上昇が見込まれます。そのため『名目GDP』の拡大は今後も続くとみられます。これまで企業は業績や雇用が回復しても賃金の引き上げや設備投資へ慎重でしたが、売上増につながる『名目GDP』拡大により賃上げや設備投資に取り組むことも期待されます。

 

 

(2017年 11月 16日)

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『名目GDP』の拡大は続く見通し

 

 

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