記録更新が相次ぐ日本の『景気回復』

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2012年12月から始まったアベノミクスなどにより、日本の景気は長期間にわたって緩やかな回復基調が続いています。足元では、株価や身近なデータなど、様々な記録の更新が散見されます。一方で、観光など消費動向の一部にもたつきが感じられるデータもあります。これらのデータをチェックすることにより、今後の『景気回復』の動向を探ってみたいと思います。

【ポイント1】「記録」更新は様々なデータで散見される

インバウンド消費は好調

■日経平均株価は10月2日から24日にかけて16連騰し、連続上昇の最長記録を更新しました。これまでの最長は、池田内閣が所得倍増計画を打ち出した時期に記録した、1960年12月21日から1961年1月11日までの14連騰でした。

■また、今年の訪日外客数は1-9月までで2,119万人となり、過去最速のペースで2,000万人超えを達成しました。今年は年間で2,800万人程度になると見られ、「ビジット・ジャパン」キャンペーンが始まった2003年の521万人と比べ、約5倍強になります。これに伴い、インバウンド消費も好調が続いています。1-9月の訪日客消費額が3.3兆円となり、こちらも同期間では過去最速のペースでの3兆円超えとなりました。

 

 

【ポイント2】消費は一時的に落ち込み

天候要因で観光地の人出は2ケタ減のところも

■一方、10月には週末に台風が重なったことなどの天候要因により、各観光地の人出は減少となったところが多いようです。吉野ヶ里歴史公園の10月の入場者数は前年同月比▲21.6%、金沢兼六園の10月入場者数は同▲12.3%、函館五稜郭タワーの利用者も同▲15.9%になるなど、各地で2ケタの減少となりました。これは、10月の景気ウォッチャー調査・現状判断DIの家計動向関連が▲0.5ポイント低下したことと整合的で、景況感に一時的なもたつきが見られます。

 

 

 

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【今後の展開】引き続き『景気回復』基調は継続

■雇用者の伸びは順調で、消費の基調は依然として堅調なことから、天候要因による個人消費の低下は一時的なものと見られます。今後は好天となることが予想されており、株高による資産効果なども加わり消費回復が促されることで、緩やかながらも『景気回復』が続くことが期待されます。また、今後出てくる記録更新のデータにも注目です。

 

 

(2017年 11月 15日)

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