米国の金融政策(2017年11月)緩やかなペースでの利上げを継続へ
米国の金融政策(2017年11月)緩やかなペースでの利上げを継続へ
【ポイント1】政策金利は据え置き
全会一致で決定
■10月31日~11月1日に開催された米連邦公開市場委員会(FOMC)は、市場の予想通り、政策金利(FFレート)の誘導レンジを1.00%~1.25%で据え置くことを、全会一致で決定しました。
【ポイント2】経済見通しは変更なし
景気の現状判断は上方修正
■FOMC直後に公表された声明文には、大きな変更はありませんでした。
■まず景気については、「ハリケーンの影響はあったものの、労働市場は引き続き拡大の勢いを増し、経済は堅調な速度で成長」と評価しました。前回の経済は「緩やかな成長」から上方修正されました。
■一方、物価は、「ハリケーンの影響からガソリン価格は上昇したが、エネルギーや食品を除いた物価は引き続き軟調」と判断しました。
■将来の見通しについては、「ハリケーンの影響は一過性であり、経済の基調そのものを変化させることはない」と述べ、「緩やかな景気拡大と物価上昇」という基本観に変化のないことを示しました。
■10月に開始した米連邦準備制度理事会 (FRB)保有資産の規模縮小プログラムは、「継続している」とされました。
【今後の展開】次期FRB議長は「緩やかなペースでの利上げ」を継続する見通し
■現地の有力メディアによれば、FRB次期議長にパウエルFRB現理事が指名される見込みです(現地11月2日に正式発表の予定)。金融政策に関しては、イエレン現議長の路線を引き継ぐと見られ、「緩やかな利上げ」を継続すると予想されます。
■1日の米国市場では、FOMC声明文で景気判断が上方修正されたこと等から12月の利上げ観測が強まり、米ドルが主要通貨に対して上昇しました。一方、債券利回りは、パウエル氏のFRB議長就任見込みとの報を受け低下(価格は上昇)しました。
(2017年 11月 2日)
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