ユーロ圏経済と通貨の動向(2017年11月)景気は堅調さが続き、ユーロは底堅い展開が見込まれる
ユーロ圏経済と通貨の動向(2017年11月)
【ポイント1】ユーロ圏景気は堅調
景況感も改善が続く
■ユーロ圏景気は引き続き堅調です。10月31日に発表された2017年7-9月期のユーロ圏の実質GDP成長率(速報値)は前期比+0.6%となりました。成長率は市場予想(ブルームバーグ集計、以下同)の同+0.5%を上回りました。また、4-6月期について同+0.6%から同+0.7%へと上方修正されました。
■景気の先行きを見るうえで参考となる、欧州委員会による10月のユーロ圏総合景況感指数は、114.0と市場予想の113.3を上回りました。同指数は、2012年10月を底として上昇基調にあります。
【ポイント2】量的緩和縮小を発表
規模を半減し、期間を9カ月延長
■10月26日、欧州中央銀行(ECB)は量的緩和策の資産購入額を来年1月から半減させ、9カ月間延長することを決定しました。
■ユーロ圏の10月の消費者物価指数は前年比+1.4%と、ECBの目標とする+2%近傍を下回っています。ECBは、必要があれば量的緩和の延長や資産購入規模の拡大があると、引き続き緩和的な姿勢を示しています。
【今後の展開】内需の堅調さなどからユーロ圏景気、通貨ユーロは底堅い見込み
■金融政策変更の発表後にはユーロ安となりました。これは、資産購入の期間延長について6カ月との市場の見方もあり、緩和的な環境が続くとの見方が強まったことなどが背景です。しかしユーロ圏景気は、世界経済の回復から輸出が伸び、低金利などを背景に内需もしっかりしていることなどから、10-12月期以降も堅調な推移となりそうです。また、これらを背景にユーロは底堅い展開となることが見込まれます
(2017年 11月 1日)
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