米国のGDP成長率(2017年7-9月期速報値)ハリケーンの影響をこなして安定成長を続ける米国経済

2017/10/31

米国のGDP成長率(2017年7-9月期速報値)

 

【ポイント1】市場予想を上回る成長率

前期とほぼ同水準の成長を達成

 

■米商務省が10月27日に公表した7-9月期の実質GDP成長率(速報値)は、前期比年率+3.0%となりました。4-6月期の同+3.1%とほぼ同じ水準となり、市場予想の同+2.6%を上回りました。在庫投資と純輸出の拡大が主因です。

 

 

【ポイント2】純輸出と在庫投資が牽引

個人消費、設備投資も堅調

 

■GDPの需要項目を詳細に見ると、まず個人消費は前期比年率+2.4%となり、前期の同+3.3%からは鈍化したものの、堅調さを維持しました。住居費や光熱費といったサービス支出が鈍化したのに対し、自動車等の耐久財支出は引き続き好調でした。

■設備投資は前期の同+6.7%から同+3.9%に鈍化しました。構築物投資がハリケーンの影響等もあり、同▲5.2%と減少に転じたことによるものです。機械設備投資は前期とほぼ同じ同+8.6%でした。

■一方、在庫投資、純輸出(=輸出-輸入)のGDPに対する寄与度は前期のそれぞれ+0.12%、+0.21%から+0.73%、+0.41%に拡大しました。在庫投資の拡大は最終需要の増加に見合ったものであり、過剰感はありません。

 

 

20171030us

 

 

 

【今後の展開】米経済は今後も拡大基調を続けよう

 

■今後も米景気は緩やかに拡大すると予想され、米連邦準備制度理事会(FRB)は利上げを継続する見通しです。ただし、物価上昇率が低い水準で落ち着いているため、そのペースは緩慢なものになると考えられます。

■27日の米市場では、株価、債券価格とも上昇しました。債券価格の上昇は、FRBの次期議長にパウエルFRB現理事が指名される可能性が高いとの報道を受け、現行の「緩やかな利上げ」継続との観測が強まったためです。

 

(2017年 10月 30日)

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