『街角景気』、現状の基調判断を上方修正
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「景気ウォッチャー調査」、いわゆる『街角景気』とは、景気に敏感なタクシー運転手やコンビニエンスストアの店長など、地域の景気の動きを敏感に観察できる立場にある約2,000人を対象とした調査です。9月の『街角景気』は、現状判断DIが前月より改善し、景気判断の節目となる50を上回る回復となりました。街角の声を、当社独自のテキストマイニングにより分析した結果も併せてご紹介します。 |
【ポイント1】現状判断DIは改善
先行き判断DIはわずかに低下
■9月の『街角景気』によると、現状判断DIは51.3と前月の49.7から+1.6ポイント改善し、景気判断の節目となる50を9カ月ぶりに上回りました。内訳を見ると、家計動向関連は同+2.3ポイントと大きく改善しました。中でも小売関連は、秋物衣料の売れ行きが好調だったことから、同+3.8ポイントと大きく上昇しました。また、雇用関連は前月差▲0.4ポイントと低下したものの、高水準を維持しました。
■先行き判断DIは51.0となり、同▲0.1ポイント低下しました。内訳を見ると、企業動向関連が同+0.5ポイントと改善した一方、家計動向関連が同▲0.3ポイント低下しました。雇用関連は前月から横ばいでした。
【ポイント2】ウォッチャーのコメントを分析
現状判断の「ネガティブ」コメントは減少
■街角の声をより客観的に分析する、当社独自のテキストマイニングによる分析手法(*)によると、9月は長雨、天候不順といった悪天候に関する単語など、ネガティブコメントの使用頻度は減少しました。一方で、選挙や北朝鮮に関する単語や不安に関する単語が増加しました。先行きについては、節約に関する単語の使用頻度がやや増加してはいますが、景況感が50を上回る水準を維持していることから、消費への影響は限定的と考えられます。
(*)テキスト(文書)をコンピュータで探索する技術の総称。典型的な方法として、テキストにおける単語の使用頻度を測定し、テキストの特徴を統計的に分析・可視化することで、背後にある有益な情報を探ることができます。
【今後の展開】消費は回復基調を維持
■内閣府は、現状の基調判断を「持ち直しが続いている」から「着実に持ち直しが続いている」へ、上方修正しました。先行きについては、「人手不足や海外情勢に対する懸念もある一方、引き続き受注、設備投資等への期待が見られる」と据え置きました。内外株式市場の上昇を受けて高額商品の需要が高まっているほか、インバウンド消費は引き続き拡大しており、企業関連・家計動向関連の堅調さは維持されると見込まれます。一方で、人手不足は引き続き懸念されており、早期の改善が期待されます。
(2017年 10月 12日)
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