鉄鉱石の価格と豪ドルの動向 需給改善で価格は持ち直しへ、豪ドル高を支援しよう
鉄鉱石の価格と豪ドルの動向 需給改善で価格は持ち直しへ、豪ドル高を支援しよう
【ポイント1】価格は上下に激しく振幅
足元は軟調な動き
■鉄鋼の主原料となる鉄鉱石の価格は、17年6月に1トン当たり55米ドルを割り込みましたが、これを年初来の安値として持ち直してきました。その後、同80米ドル近傍までの上昇を経て、直近では同60米ドル台で推移しています。
【ポイント2】中国での需給が改善へ
価格も持ち直しへ
■7月から8月にかけての鉄鉱石価格の上昇は、世界一の鉄鋼生産国である中国で、鉄屑を原料とする違法な低品質鉄鋼「地条鋼」の取り締まりが強化されたことが背景にあると見られます。これにより、鉄鉱石を原料とする鉄鋼の需要が高まったことが、鉄鉱石価格の上昇につながったもようです。
■その後、鉄鉱石の価格は同60米ドル前後まで下落しました。しかし、中国の鉱山の損益分岐点が推定1トン当たり70米ドルであることから判断すると、この先、産出量は伸び悩むと見られます。一方、中国の鋼材需要は、社会資本整備のための公共投資拡大に支えられ、増勢を維持する見通しです。以上を踏まえると、今後、中国の鉄鉱石需給は改善に向かうと予想され、価格も底堅い展開が見込まれます。
【今後の展開】豪ドルは堅調に推移しよう
■豪ドルの対円相場は、16年6月下旬につけた1豪ドル=74.75円を当面の底に、豪州経済の改善や資源価格の上昇等を支えとして、戻り歩調を辿っています。足元では、同87円台で推移しています。
■今後も豪ドルの対円相場は、①鉄鉱石や石炭等の資源価格の持ち直し、②豪州の貿易収支改善、③日豪の金融政策の方向性の違い(豪州は中立姿勢維持の見通し、日本は緩和姿勢継続)等から、堅調な展開が予想されます。
(2017年 10月 11日)
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