世界の「投信マネー」北米債券、新興国債券への流入が継続
世界の「投信マネー」北米債券、新興国債券への流入が継続
株式流入超過額は再び100億ドル台
■EPFRグローバル(注1)で世界の「投信マネー」の17年9月の資金フロー動向を見ると、株式ファンドは132億ドル(前月97億ドル)と再び100億ドル台の流入超となりました。債券ファンドも296億ドルと前月(同266億ドル)より流入超過額が若干増加しました。
■株式ファンドは、先進国全般に投資する「グローバル」が85億ドル(前月65億ドル)の流入超となる一方、「欧州」が47億ドル(前月▲0.2億ドル)の流入超に転じました。「新興国アジア(EMアジア)(注4)」は8億ドルと前月(6億ドル)同様小幅な流入超にとどまりました。「北米」の流出超過額は▲78億ドル(前月▲70億ドル)でした。
債券は欧州の流入超過額が大幅減
■債券ファンドは「北米」中心の流入超に変化はありません(179億ドル)。
■「欧州」は2億ドルの流入超と前月(51億ドル)より大幅に減少しました。「欧州」株式が47億ドルの流入超となっていることから、ユーロ高が一服したことや欧州中央銀行(ECB)による量的緩和の縮小の発表を控えて、債券から株式へシフトしたと考えられます。
■新興国への流入超過額は、61億ドル(前月43億ドル)でした。「EMアジア」の流入超過額は7億ドル(前月15億ドル)にとどまりましたが、新興国全般に投資する「GEM(注5)」への流入超過額が52億ドル(前月30億ドル)に拡大しました。
潤沢な流動性は北米や新興国の債券へ
■欧州、米国ともに金融政策の正常化がゆっくりと進むと見られる中、潤沢な流動性は概ね維持される見通しです。安全性の高い北米債券、経済が良好で物価が落ち着いている新興国債券への資金流入が当面続きそうです。
(2017年 10月 3日)
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