南アフリカの金融政策(2017年9月) 政策金利は据え置き、年内にも追加利下げへ
南アフリカの金融政策(2017年9月) 政策金利は据え置き、年内にも追加利下げへ
【ポイント1】政策金利は据え置き
市場では利下げ予想が大勢だった
■南アフリカ準備銀行(中央銀行、以下中銀)は21日の金融政策委員会で、政策金利(レポ金利)を6.75%に据え置きました。6名の委員のうち3名が利下げに票を投じた中での、据え置きとの判断でした。一方、市場(ブルームバーグ集計)では24名中20名が利下げを予想していました。
【ポイント2】経済見通しはほぼ据え置き
物価見通しは上方修正
■中銀は経済見通し(実質GDP成長率)について、17年を前年比+0.6%(前回+0.5%)とわずかに上方修正し、18年を同+1.2%、19年を同+1.5%と据え置きました。
■物価見通しについては、17年を前年比+5.3%で据え置いた一方、18 年を同+ 5.0 %(+4.9%)、19年を同+5.3%(+5.2%)と、前回からそれぞれ引き上げました。これは、来年7月から電気料金が予想以上に引き上げられる可能性があることなどが反映された結果です。
【今後の展開】中銀は追加利下げの見込み
■前回の金融政策委員会では、経済見通しの悪化や物価見通しの改善などから、市場の予想外の利下げが行われました。このため、今回も市場では利下げ予想が多く、政策委員の半数が利下げに投じました。しかし、足元で通貨ランドの動きが弱いことや、主要先進国で金融引き締めが見込まれていることなどから、中銀は連続利下げには踏み切らなかったと見られます。
■先行きについては、景況感などが弱く、インフレ率も中銀の目標レンジ内での推移が見込まれることなどから、年内にも追加の利下げが想定されます。8月に実施されたズマ大統領の不信任投票は否決されたものの、政策の不透明感は続くと見られ、政治的リスクの再燃や利下げ見通しなどが、ランドの上値を押さえそうです。
(2017年 9月 22日)
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