『街角景気』、現状判断横ばい、先行きは改善
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「景気ウォッチャー調査」、いわゆる『街角景気』とは、景気に敏感なタクシー運転手やコンビニエンスストアの店長など、地域の景気の動きを敏感に観察できる立場にある約2,000人を対象とした調査です。8月の『街角景気』は現状判断DIが前月から横ばいでした。一方、先行き判断DIは2カ月ぶりに改善しました。当社独自のテキストマイニングによる分析結果も併せてご紹介します。 |
【ポイント1】 現状判断DIは横ばい
先行き判断DIは改善
■8月の『街角景気』によると、現状判断DIは、前月と同じ49.7となり、景気判断の節目となる50を下回りました。内訳を見ると、家計動向関連が前月差▲0.3ポイントと、わずかに低下しましたが、企業動向関連が同+0.9ポイント、雇用関連が同+0.6ポイントと上昇しました。ただし、8月は長雨に見舞われた東北地方が同▲3.9ポイントと大きく低下したことが全体を押し下げたことを踏まえれば、7月に続き天候不順の影響が響いたと見られ、景気の基調的な変化を示すものではないと考えられます。
■一方、先行き判断DIは、同+0.8ポイントの51.1となり、2カ月ぶりに改善しました。内訳を見ると、家計動向関連が同+1.3ポイントの50.5と大きく上昇し、6カ月ぶりに50以上となりました。また、企業動向関連も同+0.9ポイントと改善した一方、雇用関連が同▲2.6ポイントと大きく低下しました。
【ポイント2】 ウォッチャーのコメントを分析
現状判断の「ネガティブ」コメントが増加
■街角の声をより客観的に分析する、当社独自のテキストマイニングによる分析手法(*)によると、8月は景気にネガティブな単語の比率が前月から上昇しました。景気にポジティブと言われる猛暑にかかわる単語の使用頻度が前月・前年から減少した一方で、長雨、天候不順など、悪天候に関する単語の使用頻度が増加したことが影響したと見られるほか、北朝鮮に関する単語や不安に関する単語も増加し、ウォッチャーの景況感を抑制した模様です。一方、節約にかかわる単語の使用頻度も減少していることから、天候要因の影響が大きく、消費の基調が変わったわけではないと見られます。
(*)テキスト(文書)をコンピュータで探索する技術の総称。典型的な方法として、テキストにおける単語の使用頻度を測定し、テキストの特徴を統計的に分析・可視化することで、背後にある有益な情報を探ることができます。
【今後の展開】 天候不順の影響は一時的、回復基調は変わらず
■内閣府は、現状の基調判断を「持ち直しが続いている」に据え置きました。先行きについては、「人手不足や海外情勢に対する懸念もある一方、引き続き受注、設備投資等への期待が見られる」としています。天候不順の影響は一時的と見られ、先行き判断DIが示す家計動向関連や企業動向関連の回復が期待されます。
(2017年 9月 12日)
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