「ロシアゲート」 疑惑(米国)

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「ロシアゲート」疑惑とは、トランプ米政権とロシアとの間で不透明な関係があったのではないかという疑惑の総称です。72年から74年の「ウォーターゲート事件」では、当時のニクソン政権による野党盗聴への関与と「司法妨害」などが明るみとなったことで議会が大統領弾劾手続きに入り、ニクソン大統領は辞任に追い込まれました。今回のトランプ大統領を巡る疑惑は、同事件との類似性から「ロシアゲート」と呼ばれています。

【ポイント1】「ロシアゲート」疑惑の発端はロシアのサイバー攻撃

 

■16年7月に、当時米大統領選で民主党の候補者であったクリントン元国務長官陣営がサイバー攻撃を仕掛けられたことが発端です。トランプ氏が大統領に当選した後、米中央情報局(CIA)はロシアがトランプ氏の勝利を狙ってサイバー攻撃を仕掛けたと断定しました。トランプ陣営がロシアと結託してクリントン候補陣営の混乱を狙った可能性があります。

 

【ポイント2】焦点は「司法妨害」の有無

 

■トランプ陣営の関係者がロシア政府による選挙干渉を支援したのではないか、また、ロシア制裁についてロシア側と秘密裏に協議をしたのではないか等、疑惑が次々に浮上しました。大統領補佐官であったフリン氏は、駐米ロシア大使との接触など不透明な関係が問題視され、2月に辞任しました。

■その後、トランプ大統領はコミー連邦捜査局(FBI)長官を5月に突然解任しました。トランプ大統領がコミーFBI長官にフリン氏への捜査を打ち切るように要請したのではないか、との疑惑も浮上しました。これがFBIの捜査を意図的に妨害する「司法妨害」ではと批判される事態となっています。

 

 

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【今後の展開】公聴会でのコミー氏の証言に注目

 

■コミー前FBI長官が米議会公聴会で6月8日に議会証言を行うことが決まりました。コミー氏が公に証言するのは解任後初めてです。トランプ大統領がコミー氏に側近への捜査を中止するように要請したとされる「司法妨害」について、どこまで証言し、新たな事実が判明するかが焦点です。

■コミー氏の証言によって、「司法妨害」が意図的だったと裏付けられれば、大統領弾劾を巡る議論が活発化しそうですが、現実的には大統領弾劾の可能性は低いと見られています。政府と議会は予算審議を重視しており、政策運営への影響は限定的となりそうです。

 

(2017年 6月 6日)

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