「公示地価」は2年連続で上昇(日本)

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「公示地価」は国土交通省が毎年3月に公表する全国の土地の価格(1月1日時点)です。平成29年は約26,000地点で実施されました。一般の土地取引価格の指標にされるほか、公共事業用地の取得価格などの算定基準となります。公の機関が発表する土地の価格はほかに相続税や贈与税などの算定基準となる「路線価」(国税庁発表)があります。

【ポイント1】商業地は前年比+1.4%と、2年連続の上昇

住宅地は、小幅ながら9年ぶりに上昇に転じた

■21日、国土交通省は2017年1月1日時点の「公示地価」を発表しました。全国の全用途地は前年比+0.4%、商業地は同+1.4%とともに2年連続の上昇となりました。外国人観光客の増加などによる店舗やホテルの需要の増加や再開発事業の進展などから、不動産需要は旺盛です。

■また、全国の住宅地は同+0.022%と、リーマンショックのあった2008年以降9年ぶりに上昇に転じました。国内経済の緩やかな回復が続いているうえ、継続的な金融緩和政策による低金利や住宅ローン減税などが住宅取得を後押ししていると見られます。

【ポイント2】商業地の上昇率は大阪府がトップ

外国人観光客によるホテルなどの需要が増加

■商業地では、大阪府が前年比+5.0%と上昇率が全国1位となりました。地点別に見ても、上昇率の全国1~5位までを大阪府が占めました。

■大阪府は外国人観光客も多く、観光庁の宿泊旅行統計調査で2016年の客室稼働率を見ると、大阪府のリゾートホテルやシティホテルなどの稼働率は全国で最高でした。また、外国人旅行客の高額品の爆買いが一服したと言われるなか、医薬品や化粧品の需要は高く、ドラッグストアの新規出店なども商業地の需要の高まりとなっています。

 

 

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【今後の展開】外国人観光客の増加や低金利は今後も地価を下支え

■全国の地点数を上昇・横ばい・下落の別で見ると、上昇は37.2%、下落は41.4%と、下落が上昇を上回っています。「公示地価」は、住宅地、商業地ともに、三大都市圏(東京圏、大阪圏、名古屋圏)では、前年比で上昇傾向となっている一方、地方圏では下落が続いており、地価の二極化が進んでいます。政府の外国人観光客誘致の高い目標や、金融緩和政策による低金利などが今後も地価を下支えすると考えられますが、都市部ではマンションやオフィスビルの大量供給が続いており、需給バランスの悪化も懸念されます。

(2017年 3月 27日)

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