原油価格の動向(2017年2月) 協調減産効果で堅調に推移
原油価格の動向(2017年2月) 協調減産効果で堅調に推移
【ポイント1】OPECが協調減産を開始
減産目標の90%を達成
■石油輸出国機構月報(OPEC Monthly OilMarket Report)の最新号によれば、2017年1月のOPEC総生産量は日量3,214万バレルとなりました。16年11月末のOPEC総会で合意した原油生産量の上限である同3,250万バレルを同36万バレルほど下回る水準です。国際エネルギー機関(IEA) は、OPECの当初の減産は目標の90%に達したと述べています。
■前月の生産実績である同3,303万バレルと比較すると、同▲89万バレル、率にして▲2.7%となりました。特に最大の産油国であるサウジアラビアが合意に従って大幅な削減(同▲50万バレル、▲4.8%)を実施したことが貢献しました。
【ポイント2】2017年は供給不足へ
需要見通しが上方修正
■IEAは、17年における世界の原油需要予測を、1月時点の前年比130万バレル増から同140万バレル増に上方修正しました。IEAは、昨年11月に合意されたOPECの生産枠が遵守されれば、原油の需給は17年前半に供給不足に陥ると見ています。
【今後の展開】需給好転で価格は堅調な推移が見込まれる
■OPECの減産は進んでいますが、原油価格はバレル当たり50ドル台前半でもみ合う展開となっています。OPEC合意が今後も遵守されるのか、合意の期限である今年7月以降の延長があるのか等の不透明感や、米国のシェールオイルが増産に向かうのではないかという懸念が上値を抑えていると考えられます。
■需給動向から判断すると、協調減産が維持される限り、原油価格が大きく崩れる公算は小さいと考えられます。一方、価格がバレル当たり55ドル~60ドルを超えると、シェールオイル増産の可能性があり、上値の余地も限定的と考えられます。当面のところ、原油価格は同50ドル近傍での推移となりそうです。
(2017年 2月 22日)
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