経常収支の改善が進む豪州経済(2017年2月)資源価格の上昇とともに豪ドル高の支援材料に
経常収支の改善が進む豪州経済(2017年2月)
【ポイント1】雇用は増勢を維持
資源セクターが立ち直りつつある
■2017年1月の雇用者数は前月比1.4万人の増加、豪州準備銀行(RBA)が重視するトレンド値(月ごとの変動を均した政府の公表値)は同1.2万人の増加でした。トレンド値は16年8月の0.2万人増を当面の底として緩やかな改善傾向を示しています。
■豪州の主力輸出品である鉄鉱石や石炭といった資源の価格が持ち直してきたことにより、これまで景気の足を引っ張ってきた資源セクターの立ち直りが見込まれます。金利低下や雇用の回復等を支えに堅調に推移する非資源セクターに、資源セクターの復調が加わるため、豪州の景気、雇用の拡大ペースは今後、徐々に速まると予想されます。
【ポイント2】経常収支は改善基調
資源価格上昇で輸出が伸長
■資源価格の底入れにより、豪州の経常赤字は、過去最大だった15年10-12月期の▲230億豪ドルをピークに、直近16年7-9月期の▲114億豪ドルまで縮小しました。資源価格が足元の水準で推移すれば、18年までに豪州の経常収支は黒字に転換すると予想されます。経常収支の黒字は、73年以来のこととなります。
【今後の展開】資源価格が豪ドルを下支え
■豪ドルの対円相場は、16年半ばを底に上昇基調を辿っています。中国での需給好転等から資源価格が持ち直してきたこと、経常収支が改善してきたこと、日銀の緩和スタンス継続に対しRBAは中立スタンス維持が予想されることなどを踏まえると、豪ドルの対円相場は今後も底堅く推移する見通しです。
(2017年 2月 17日)
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