メキシコの金融政策(2017年2月) 政策金利を0.5%引き上げ、インフレ抑制への利上げが続く
メキシコの金融政策(2017年2月) 政策金利を0.5%引き上げ、インフレ抑制への利上げが続く
【ポイント1】政策金利を0.5%引き上げ
2015年12月以降7回目の利上げ
■メキシコ銀行(中央銀行、以下中銀)は現地9日、金融政策決定会合で政策金利(翌日物銀行間レート)を0.50%引き上げ、6.25%とすることを決めました。利上げ幅は市場予想(ブルームバーグ)に一致するものでした。
■中銀は、ガソリンなどのエネルギー価格が大幅に上昇しているほか、米国のトランプ大統領が通商政策や移民の受け入れにおいて特にメキシコを標的にしていることなどから、メキシコペソには下落圧力がかかっており、これらの二次的効果により消費者のインフレ見通しが悪化するリスクに言及しました。
【ポイント2】インフレ上昇を警戒
景気には慎重な見方
■中銀は、当面は現状のインフレ警戒スタンスを継続することを示し、必要があれば追加の利上げも辞さないことも示しました。
■また、中銀は、米国がメキシコからの輸入品に対して高い関税を課すことにより、自動車産業などを中心にメキシコの国内景気が減速するリスクがあると、景気には慎重な見方をしています。
【今後の展開】ペソ相場は当面不安定ながら、落ち着きどころを探る展開
■メキシコでは、2016年10-12月期の実質GDP成長率が前年比+2.20%となり、設備投資や輸出を中心に景気はここ5年間程度の水準と比較して低成長となっています。一方で、上述の通り、エネルギー価格の上昇や通貨安の影響により2017年1月の消費者物価指数は前年同月比で+4.72%の上昇と前月の同+3.36%から大きく上昇しました。1月に見られたインフレ率の高まりが今後も持続する可能性は低いと考えられますが、当面はインフレの高止まりが見込まれます。
■ペソ相場が落ち着くためには、米新政権の通商政策に関する強硬姿勢が和らぐことが肝要と思われます。
(2017年 2月 10日)
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