英国が「EU単一市場」から離脱へ(英国)

2017/01/19

<今日のキーワード>英国が「EU単一市場」から離脱へ(英国)

英国のメイ首相は17日、欧州連合(EU)離脱に関する政府方針として、「EU単一市場」からの完全離脱を表明しました。「EU単一市場」とは、EUの加盟国間ですべての関税を撤廃し、規制を統一することによりひとつの経済圏とするものです。これにより、人、モノ、資本、サービスを国境などに妨げられることなく、自由に移動させることができます。EU離脱後、英国がどの程度「EU単一市場」にアクセスできるかが今後の焦点です。

【ポイント1】「EU単一市場」からの完全離脱を表明

交渉上の12の優先項目を挙げる

■メイ首相は17日、「EU単一市場」から完全離脱する政府方針を表明しました。「EU単一市場」への参加よりも移民規制や司法権独立などを優先する方針です。EUとは、新たな自由貿易協定を締結することを目指します。メイ首相は演説で、「より強く、より公正で、グローバルな英国」を交渉の基本理念とし、これに沿った交渉上の12の優先項目を示しました。

【ポイント2】新たな貿易協定を目指す

英国独自の経済モデル模索

■メイ首相の演説は、「EU単一市場」を離脱するが、EUとは新たな貿易協定を締結し、EU市場には自動車や金融など個別に最大限のアクセスを目指すこと、EU予算についても従来の巨額の負担はせず、英国として必要に応じて適度に負担する可能性を示唆するものでした。

■また、EUとは関税に関する協定を締結することも目指し、英国独自の経済モデルを想定していることが示されました。

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【今後の展開】実際の交渉は難航が必至

■前日までの報道では、 「EU単一市場」へのアクセスがなく、さらに関税がかかるタイプの”厳しいEU離脱“が懸念されていただけに、今回の演説内容を受けて過度な悲観論はひとまず後退し、英国経済やポンドに対する下振れ不安は一旦軽減したと見られます。

■英国政府は3月末までにEUに離脱を正式に通知する方針ですが、今回のメイ首相の主張は英国にとって都合のよい内容が多く含まれており、実際の交渉は難航が必至と見られます。

(2017年 1月 19日)

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