インドの金融政策(2016年12月)政策金利は据え置き。ただし、金利低下継続で経済回復へ

2016/12/08

インドの金融政策(2016年12月)政策金利は据え置き。ただし、金利低下継続で経済回復へ

【ポイント1】政策金利は据え置き

■12月7日の金融政策委員会(MPC)でインド準備銀行(RBI、中央銀行)は、市場予想に反し、政策金利(レポ金利)を6.25%に据え置きました。

■ブルームバーグ調査では、44人中据置き予想は僅か8人で、他36人は利下げを予想していました。

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【ポイント2】金利は既に下落基調

■従来のRBIの金融緩和政策に加え、11月8日に発表された高額紙幣廃止による銀行預金急増により銀行の運用対象である国債利回りが急低下し、あわせて貸出金利が低下しています。

■一方、12月14日にはFOMC(米連邦公開市場委員会)が予定されており、利上げされればインド経済への影響が見込まれます。

■以上から、RBIは現時点で金融緩和は必要無く、状況を見極めたいと判断したと思われます。

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【今後の展開】高額紙幣廃止の混乱は収束に向かい、経済成長は回復へ

■今回のMPCでRBIが預金急増にともなう銀行の過剰な流動性を抑制するために導入した一時的な支払準備率の引上げ措置を12月9日に終えると発表しました。同時に、RBIは2017年3月期のGVA(粗付加価値)成長率見通しを+7.7%から+7.1%へ下方修正しました。 ただし、10-12月期にかけて大きく鈍化した後、来年1-3月期にかけて持ち直すことを予想しています。これらを併せて考えるとRBIは、高額紙幣廃止の混乱は年度内に収束すると見込んでいると思われます。金利低下により企業の資金調達が活性化し、インドの経済成長回復の要因となりそうです。

(2016年12月 8日)

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