最近の指標から見るインド経済(2016年12月)高額紙幣廃止の影響は一時的、経済成長の拡大続く
最近の指標から見るインド経済(2016年12月)
【ポイント1】GDP成長率は加速
■2016年7-9月期の実質GDP成長率は、堅調な消費により前年比+7.3%と加速しました(2016年4-6月期:同+7.1%)。
■一方、実質GVAは、前四半期の同+7.3%から減速し、同+7.1%でした。十分なモンスーンの降雨により農林漁業の成長は加速しましたが、鉱工業が減速しました。
【ポイント2】製造業PMIは堅調
■12月1日発表の2016年11月の製造業PMI(購買担当者指数)は、52.3と前月の54.4から低下しましたが、11カ月連続で拡大・縮小の境目である50を超え、堅調な水準を維持しました。
■製造業PMIを見る限り、景気は堅調に推移することが予想されます。
【今後の展開】高額紙幣廃止で目先消費は下振れ、但し、景気拡大基調は不変
■11月8日に高額紙幣廃止が発表されました。交換する紙幣が不足しているため、消費に影響が出ています。紙幣不足は数カ月で解消に向かい、混乱は年度内に終息すると思われます。2017年4月の新年度以降は堅調な消費とインフレ低下基調に変化がない中、企業の投資回復などで8%の実質GDP成長率を見込みます。
■また、インド中銀によると11月10日から11月27日にかけて旧札の預金額は約8.5兆ルピー(銀行預金総額の約8%)に上りました。急増した預金は、インド国債投資へ向かい、利回りは大幅に低下(価格の上昇)しました。今後は徐々に経済活動が活発化すると見られますが、インフレが落ち着いていることから低金利が続くと予想されます。
(2016年12月 2日)
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