メキシコの金融政策(2016年11月)政策金利引き上げ:トランプ次期米大統領の政策に注目
メキシコの金融政策(2016年11月)
【ポイント1】政策金利を0.5%引き上げ
今年4回目の利上げ
■メキシコ銀行(中央銀行、以下中銀)は17日、政策金利(翌日物銀行間レート)を0.50%引き上げ、5.25%とすることを決定しました。利上げは市場予想の範囲内でした。ただし、米大統領選挙でトランプ氏が勝利した後、メキシコペソが過去最安値を更新していたことから、0.75%の利上げを予想する市場関係者もいました。
■通貨安への歯止めを狙った中銀の利上げは、2月、6月、9月に続き、今年4回目です。
【ポイント2】通貨安警戒姿勢を継続
今後も利上げ継続の見込み
■中銀は声明文で、世界経済の変動の高まりに加え、米大統領選挙の結果がメキシコと米国の2国間の関係に影響するとし、国内経済を取り巻く環境がかなり不確実になっているとリスクを指摘しました。
■中銀は、インフレ目標(3%)の達成に向けて、今後も必要な対応を取るとしており、ペソの動きや米国の政策を注視しながら、状況に応じて利上げを行うと見られます。
【今後の展開】ペソ相場は落ち着きどころを探る展開
■米大統領選後、トランプ次期米大統領の保護主義的な政策が米国との経済関係の深いメキシコに多大な損失を与えるとの見方が広がり、ペソは11日、過去最安値を更新しました。中銀は17日、通貨防衛のため利上げを行いましたが、ペソは前日比で約1%下落して引けました。市場では、0.75%の利上げを予想する向きもあっただけに、ペソの下落につながった模様です。ペソは、トランプ次期米大統領の通商政策や財政政策をにらみながら、当面落ち着きどころを探る展開が見込まれます。
(2016年11月18日)
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