最近の指標から見る日本経済(2016年11月)政府の経済対策等に下支えられ、当面持ち直しが続く
最近の指標から見る日本経済(2016年11月)
【ポイント1】生産は緩やかな持ち直しへ
消費は底堅いが、物価はマイナス
■9月の鉱工業生産指数(速報値)は前月比+0.0%と、市場予想(ブルームバーグ集計)の同+0.9%を下回りました。熊本地震の影響や英国の欧州連合(EU)離脱選択など、生産を抑制する材料が緩和する中で、月次では振れを伴いつつも、生産は緩やかに持ち直していると考えられます。
■製造工業生産予測調査によると、10月は同+1.1%、11月は同+2.1%と、増加が見込まれています。今後、急激な円高進展などがなければ、生産は緩やかな持ち直しが続くと見込まれます。
【ポイント2】良好な雇用環境が続く
所得は緩やかな増加にとどまる
■9月の失業率は3.0%、9月の有効求人倍率は1.38倍と、高水準が維持されました。
■9月の現金給与総額は前年比+0.2%と、小幅な伸びとなりました。一方、物価の下落基調が続いていることから、物価の影響を考慮した実質賃金は同+0.9%と、8カ月連続の増加となっています。現金給与総額の内訳を見ると、残業代にあたる所定外給与が同▲1.3%と減少した一方、基本給にあたる所定内給与は同+0.4%と、引き続き小幅な伸びにとどまりました。
【今後の展開】経済対策などに下支えられ、当面持ち直しが続く見込み
■生産は緩やかな持ち直しが続くと見られることや、補正予算など政府の経済対策に下支えられて、日本経済は当面持ち直しが続くと考えられます。また、今夜に控えた米大統領選挙の結果や、12月に見込まれる米国の利上げなど、相場の不透明要因が払しょくされるに連れて、株式市場は緩やかながら上昇傾向となることが見込まれます。
(2016年11月 8日)
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