アジアの「緩和的な金融政策」(アジア)
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アジア経済は、中国景気の減速によって輸出が不振に陥り、足踏み状態が続いていましたが、各国の財政政策や「緩和的な金融政策」を受けて内需中心に回復傾向が見られます。特に、インドやASEAN4(フィリピン、インドネシア、タイ、マレーシア)の多くは、今年のGDP成長率が加速すると見込まれるなど好調です。これらの国では、インフレ率の低下や通貨の安定から、今後も「緩和的な金融政策」が続きそうです。 |
【ポイント1】今年も金融緩和が続く
インドネシア、インド、マレーシアが利下げ
■インドやASEAN4では、今年に入って利下げの実施が目立っています。マレーシア中央銀行は7月23日、7年ぶりに利下げし、政策金利を3.25%から3.00%へ引き下げました。インド準備銀行(中央銀行)は10月4日、半年ぶりに政策金利を0.25%引き下げ、6.25%としました。インドネシア中央銀行も10月20日、政策金利を0.25%引き下げ、4.75%としました。利下げは今年に入り6回目です。
【ポイント2】インフレ圧力の後退
アジア通貨の安定が背景
■利下げの背景には、資源価格の下落や食品価格上昇の和らぎなどによるインフレ率の落ち着きがあります。インドでは、モンスーン(雨季)に十分な降雨があり、食品価格の上昇圧力が後退したことも利下げを後押ししました。
■また、為替市場で、米国の利上げがかなりゆっくりとしたペースで行われるとの見方が強まり、ドル高圧力が後退し、各国の通貨が安定していることも利下げの背景です。
【今後の展開】今後も金融緩和継続が見込まれる
■インドやASEAN4では、今後もインフレ率の落ち着きや通貨の安定を背景に、「緩和的な金融政策」が続くと見込まれます。7年ぶりに利下げを実施したマレーシアについては、年内にも追加利下げが予想されます。また、17年にも見込まれる総選挙を控えたタイや10月に利下げを実施したインドも、17年上期にかけ利下げを行う可能性があります。「緩和的な金融政策」の継続が、今後のアジアの経済成長や金融市場の安定に寄与すると期待されます。
(2016年11月 4日)
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