「街角景気」は天候要因でやや低下(日本)

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「景気ウォッチャー調査」は、内閣府が毎月実施する景況感に関する調査で「街角景気」調査とも呼ばれます。タクシー運転手やコンビニエンスストアの店長、レストラン経営者など、景気に敏感な約2,000人が調査対象(ウォッチャー)です。3カ月前と比べたその時点の景気と、2~3カ月先の景気予測を調査します。算出された指数から好不況を判断する際の中立水準は、50ポイントです。

【ポイント1】現状判断DIは44.8ポイントへ低下

家計動向関連の細項目がすべて低下

■2016年9月の「景気ウォッチャー調査」によると、「街角景気」の実感を示す「現状判断DI」は、前月比0.8ポイント低下の44.8となりました。項目別では、企業動向関連と雇用関連は上昇したものの、家計動向関連の細項目がすべて低下したことなどが、全体に影響しました。

■街角の声には、「台風の影響により野菜の高騰が続いている。客の購買行動がよりシビアになっている」(北陸・スーパー)や、「天候の影響もあり、秋冬物の動きが良くないため、客単価が下がり、売上も苦戦している」(南関東・百貨店)など、9月は大型の台風が多かったことや、全国的に平年より気温が高かったことによる消費の減速の影響などが見られました。

 

【ポイント2】先行き判断DIは引き続き改善

個人消費関連に明るい兆し

■2~3カ月後の景気を聞いた「先行き判断DI」は、1.1ポイント上昇の48.5となりました。こちらは住宅関連を除く、すべての項目において改善しました。

■街角の声には、「年末年始の旅行は前年と比較して予約が若干増加傾向にあるので期待が持てる」(中国・旅行代理店)や、「個人消費関連の求人件数が若干増加するなど、明るい兆しがみえ始めている」(北海道・求人情報誌製作会社)などがありました。
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【今後の展開】旅行や観光分野の回復などに期待

■今回の調査のまとめとして内閣府は、前月と同様の「景気は、持ち直しの動きがみられる」に据え置きました。また、先行きについては、「旅行・観光分野の回復、受注や求人増加の継続などへの期待がみられる」としました。

■なお、気象庁によると、9月の消費にマイナスの影響を及ぼした天候は、当面1カ月は平年並みに近づきそうです。台風シーズンも終わりに近づき、天候の消費への影響度合いは次第に減っていくと見られます。
(2016年10月12日)

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