春闘の「集中回答日」が迫る(日本)

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4月の年度はじまりを前に、労働組合が連携して賃上げなどを企業側に求める労働運動は「春闘」と呼ばれています。例年2月に組合が賃金水準の引き上げ(ベースアップ=ベア)などの待遇改善を企業に要求し、企業は3月半ばに回答、3月末までの妥結を目指します。企業が組合に回答を出す日が集中することから「集中回答日」と呼ばれ、今年は3月16日に当たります。

【ポイント1】16日が「集中回答日」

大手組合からの回答が集中
■春闘は3月16日の「集中回答日」がヤマ場とされています。春闘では同じ産業に属する労働組合がまとまり、経営側との交渉に当たります。労働組合の中央組織である日本労働組合総連合会(連合)は3月末までの妥結を目標に、構成される各組合からの回答を集計する時期を、第1先行組合回答ゾーンを3月14日から18日、第2先行組合回答ゾーンを3月22日から25日とし、大手組合からの回答を集計する「集中回答日」を16日に設定しました。

【ポイント2】総じて弱めのベア目標か

政府は改めて賃上げを要請
■これまでの労働組合側のベアの要求状況を見ると、昨年を下回るベアを要求する組合が目立つようです。景気の回復基調が鮮明だった昨年のベアに比べると、より慎重な姿勢となっている様子がうかがえます。

■一方、安倍政権は、大幅に改善している企業収益を踏まえ、経済界に3年連続での賃上げを要請しています。3月に入り、経済界との会合で改めて賃上げを要請しました。安倍首相は非正規労働者の賃上げも要請しました。

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【今後の展開】注目される中小企業における賃上げの行方

■2016年の平均賃上げは、昨年の伸び(前年比+0.69%)を下回る伸びに留まると予想されます。賃金が伸び悩み、物価の押し上げにつながらない場合は、日銀の政策判断にも影響が及ぶ可能性があり、注目されます。

■景気の持続的な回復が進むためにも賃上げは重要です。賃上げは依然として大企業が中心で、なかなか中小企業に波及しません。連合は、大企業と中小企業との格差是正を重点課題としています。大企業のベアの上昇以上に、中小企業の賃上げが進み、格差の是正が図れるか、も注目されます。

(2016年3月14日)

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