最近の指標から見る豪州経済(2016年2月)~消費をけん引役に景気は回復基調を維持~

2016/02/23

最近の指標から見る豪州経済(2016年2月)~消費をけん引役に景気は回復基調を維持~

【ポイント1】労働市場は緩やかな改善基調

家計セクターは底堅く推移
■2016年1月の雇用者数は前月比0.8万人の減少、失業率は同+0.2%ポイント上昇の6.0%となりました。2カ月連続で、やや低調な結果です。昨年10月、11月の雇用増加ペースが過去最高水準だった反動の可能性が高いと考えられます。月ごとの振れを均した政府公表のトレンド値を見ると、1月は+2.0万人でした。前月の+2.7万人からは鈍化したものの、緩やかな改善基調を維持しています。

■雇用改善を背景に消費マインドは底堅く推移しており、小売売上高は前年同月比+4%台の伸びを維持しています。家計セクターは底堅く推移しています。

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【ポイント2】物価は低位で推移

政策金利は当面、据え置き
■15年10-12月期の消費者物価上昇率は、前年同期比+1.7%となりました。豪州準備銀行(RBA)の目標である+2%~+3%の下限を依然として下回っていますが、15年7-9月期の+1.5%からは加速しました。

■RBAは2月2日、今年最初の会合で、政策金利を2.0%に据え置きました。物価上昇率が低い水準にとどまっており、利下げの余地はありますが、豪ドル安と労働市場の回復を踏まえると、過去最低の政策金利は当面据え置かれると予想されます。

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【今後の展開】家計部門を軸に景気は回復基調を維持する見込み

■雇用の緩やかな改善を背景に消費、住宅投資は今後も堅調に推移する見込みです。輸出、設備投資は低迷が続く見通しですが、消費と住宅で補い、景気は緩やかな回復を続けると予想されます。

■中国経済をめぐる不透明感が払拭されるにつれて、豪ドルの対円レートは徐々に落ち着きを取り戻してきました。中長期では日豪金利差の拡大などから、底堅く推移する見通しです。

(2016年2月23日)

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