「春節」消費は鈍化、主役は旅行(中国)
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中国では、旧暦の正月(「春節」)は、工場や役所などが一斉に休業します。その前にボーナスなどを支給する慣例があることから、「春節」消費が一年で最も盛り上がると言われています。ただし、近年は「春節」消費が伸び悩む一方、海外旅行は人気で、ブランド品やお土産の大量購入(爆買い)により渡航先の小売売上高の増加に貢献しています。海外製に代わり中国製が買われるよう、中国製の質の向上が求められています。 |
【ポイント1】7日~13日は、「春節」の祝日
「春節」の消費の伸びは鈍化傾向
■昨年の「春節」期間の小売売上高は前年同期比+11%と4年連続して伸びが鈍化しました。「春節」前に帰省する出稼ぎ労働者の増加、反腐敗運動の影響による高額品の贈答抑制、時期にこだわらず自分の欲しいものを購入するなどのライフスタイルの変化が要因です。
■特に、「80後(80年代に生まれた世代)」と呼ばれる世代は、その両親の世代に比べ、収入が多く、趣味や娯楽にお金をかけ生活を楽しむ傾向が強いとされます。
【ポイント2】海外旅行の人気が高まる
今年は600万人程度へ増加
■昨年、「春節」に海外旅行に出かけた人の数は約518万人で、前年同期比10%増加しました。今年の「春節」期間の海外旅行者数はおよそ600万人と予想され、海外旅行の人気は益々高まっているようです。
■一方、国内旅行も根強い人気があります。高速鉄道の新規路線の開業が相次ぎ、移動時間が大幅に短縮されたことも背景となっています。
【今後の展開】中国製の質の向上や観光業の振興などが期待される
■質と安全性の追求はビジネスチャンス
海外旅行での爆買いは、渡航先の小売売上高の増加に寄与しています。昨年、日本では約499万人の中国人旅行者が、日本で約1.4兆円消費しました。中国の昨年の海外旅行者数は約1.2億人でしたので、海外製品の購入の一部が国内製品の購入に振り替わると、その経済効果は大きいと言われています。
■観光業の振興も期待される
中国国内には、歴史上有名であったり、景色が美しくても、観光客の受け入れ体制が整っていない場所が地方には多数あると言われています。交通網の整備が急速に進んだことを追い風に、国内観光業には発展の余地があると見られ、今後の観光業の振興が期待されます。
(2016年2月4日)
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