日経平均株価とTOPIXは過去最高値を更新~今後の展望について

2025/08/13

日経平均株価とTOPIXは過去最高値を更新~今後の展望について

          • 日経平均は昨日、1年1カ月ぶりに過去最高値を更新しTOPIXも3営業日連続で最高値更新。
          • 相場の過熱感は高まっており、日経平均、TOPIXとも、いったん調整売りに押されても違和感なし。
          • EPS主導の株高が待たれるが、短期的な調整売りなら、両指数の長期上昇トレンドは不変とみる。

    日経平均は昨日、1年1カ月ぶりに過去最高値を更新しTOPIXも3営業日連続で最高値更新

    8月12日の日経平均株価は42,718円17銭と前営業日比897円69銭(2.1%)上昇し、1年1カ月ぶりに過去最高値を更新して取引を終えました。東証株価指数(TOPIX)も同日、前営業日比42.16ポイント(1.4%)上昇し、3営業日連続で過去最高値を更新して取引を終了しました。今回のレポートでは、日経平均とTOPIXがそろって過去最高値を更新した背景と主な注意点、そして今後の展望について考えます。

    まず、株高の背景については、日米両政府が相互関税率・自動車関税率とも15%であることを先週確認し、また11日にはトランプ米大統領が対中関税の一部を再び90日間延長する大統領令に署名するなど、米関税政策をめぐる不透明感が後退したことがあると思われます。このほか、米国株が堅調に推移していることや、直近の国内企業の決算発表がおおむね想定内となり、市場が過度に悲観に傾くことがなかったことも、株高要因と考えられます。

    相場の過熱感は高まっており、日経平均、TOPIXとも、いったん調整売りに押されても違和感なし

    日経平均、TOPIXともに先週以降、上昇ペースが速まっていますが、市場では、株価の上昇に乗り遅れまいとする投資家の買いが買いを呼ぶ「FOMO(Fear Of Missing Out=取り残される恐怖感)」の様相が強まっているとの声も聞かれます。このような点も踏まえ、次に、注意すべき点をみていきます。昨日のレポートでも指摘したとおり、相場の過熱感は高まっています。

    昨日時点の「RSI(相対力指数)」は、日経平均で72.2%水準、TOPIXで75.9%水準にあり、買われ過ぎとされる70%水準をともに超えています。RSIよりも動きが速いとされる「ウィリアムズ%R」は、それぞれ-8.9%水準、-7.3%水準と、こちらもそろって買われ過ぎとされる-20%水準を超えています。そのため、日経平均、TOPIXとも、いったん調整売りに押されてもそれほど違和感はありません。

    EPS主導の株高が待たれるが、短期的な調整売りなら、両指数の長期上昇トレンドは不変とみる

    また、これも昨日のレポートで一部触れていますが、日経平均とTOPIXは、いずれも直近で「EPS(Earnings Per Share=1株あたり利益)」の水準が切り下がる一方、「PER(Price Earnings Ratio=株価収益率)」の水準は切り上がっており、足元の株高は期待を反映したPER主導によるものと判断されます。より持続的で堅固な株価の上昇には、好業績に裏付けられたEPSの上昇が待たれます。

    日経平均、TOPIXとも、ここ10年以上、長期上昇トレンドが続いているため(図表1、図表2)、前述のように、相場の過熱感から、いったん調整売りに押された場合でも、このトレンドが崩れる恐れは小さいとみています。なお、両指数とも上値抵抗線をすでに上抜けているため、より右肩上がりの上昇トレンドが形成されつつあるとも考えられますが、長期チャートのため、その判断にはもう少し時間が必要と思われます。


    (2025年8月13日)

三井住友DSアセットマネジメント株式会社
主要国のマクロ経済や金融市場に関する注目度の高い材料をとりあげて、様々な観点から分析を試みます。
●当資料は、情報提供を目的として、三井住友DSアセットマネジメントが作成したものであり、投資勧誘を目的として作成されたもの又は金融商品取引法に基づく開示書類ではありません。
●当資料に基づいて取られた投資行動の結果については、当社は責任を負いません。
●当資料の内容は作成基準日現在のものであり、将来予告なく変更されることがあります。
●当資料は当社が信頼性が高いと判断した情報等に基づき作成しておりますが、その正確性・完全性を保証するものではありません。
●当資料に市場環境等についてのデータ・分析等が含まれる場合、それらは過去の実績及び将来の予想であり、今後の市場環境等を保証するものではありません。
●当資料にインデックス・統計資料等が記載される場合、それらの知的所有権その他の一切の権利は、その発行者および許諾者に帰属します。
●当資料の内容に関する一切の権利は当社にあります。本資料を投資の目的に使用したり、承認なく複製又は第三者への開示等を行うことを厳に禁じます。
●当資料の内容は、当社が行う投資信託および投資顧問契約における運用指図、投資判断とは異なることがありますので、ご了解下さい。

三井住友DSアセットマネジメント株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第399号
加入協会:一般社団法人投資信託協会、一般社団法人日本投資顧問業協会、一般社団法人第二種金融商品取引業協会