法人企業景気予測調査(10-12月期)~2期連続のプラス、中国の景気減速でプラス幅は縮小~

法人企業景気予測調査(10-12月期)

【ポイント1】景況判断は2期連続のプラス

企業規模で景況感に格差
■財務省・内閣府が10日に発表した10-12月期の法人企業景気予測調査によれば、大企業(全産業)の景況感を表す景況判断指数(BSI)は4.6と2四半期連続で「上昇」が「下降」を上回りました。中国をはじめとする新興国の景気減速を反映して、プラス幅は7-9月期の9.6から縮小しました。

■企業規模別に見ると、大企業、中堅企業がプラスの一方、中小企業は▲7.7と引き続きマイナスが続いています。ただし、マイナス幅は縮小傾向にあります。

20151211jp1

【ポイント2】食品、流通など内需系好調

多くの業種で人手不足感が増大
■10‐12月期のBSIを業種別に見ると、食品、木材・木製品、卸売り、小売りなど内需系の好調が目立っています。販売価格の上昇、インバウンド需要の増大、プレミアム付き商品券の発行などが背景にあると思われます。逆に悪化で目立ったのは生産用機械器具、電気機械器具、情報通信機械器具などの輸出型産業でした。

■今回の調査では職業紹介・労働者派遣業のBSIが60.0と極めて好調でしたが、全般に人手不足感が一段と高まっています。特に中堅企業、大企業の非製造業分野、業種では宿泊・客室サービス業、小売業の不足感が高くなっています。

 20151211jp2

【今後の展開】大企業の慎重な景況感が改善するかに注目、設備投資は増加へ

■2016年1‐3月期のBSIの見通しは、大企業(全産業)で5.6と若干の改善となっています。4‐6月期については悪化の予想ですが、今後は補正予算案の作成や、外需の好転などが予想され、上向くことが期待されます。

■全体の設備投資については、2015年度が7.5%増と前回調査の6.1%から上方修正されました。2016年度も増加の方向です。大企業の景況感が改善し、中小企業にも波及するかが今後の注目点です。

(2015年12月11日) 

印刷用PDFはこちら→

今日のマーケット・デイリー 法人企業景気予測調査(10-12月期)2期連続のプラス、中国の景気減速でプラス幅は縮小

関連マーケットレポート

2015年12月  9日 日本の主要企業の業績見通し

2015年11月16日 日本のGDP成長率(2015年7-9月期1次速報値)

三井住友DSアセットマネジメント株式会社
世界の経済やマーケットの動向や、マーケットで注目される旬なキーワードを運用のプロがわかりやすく、丁寧に説明します。
■当資料は、情報提供を目的として、三井住友DSアセットマネジメントが作成したものです。特定の投資信託、生命保険、株式、債券等の売買を推奨・勧誘するものではありません。
■当資料に基づいて取られた投資行動の結果については、当社は責任を負いません。
■当資料の内容は作成基準日現在のものであり、将来予告なく変更されることがあります。
■当資料に市場環境等についてのデータ・分析等が含まれる場合、それらは過去の実績及び将来の予想であり、今後の市場環境等を保証するものではありません。
■当資料は当社が信頼性が高いと判断した情報等に基づき作成しておりますが、その正確性・完全性を保証するものではありません。
■当資料にインデックス・統計資料等が記載される場合、それらの知的所有権その他の一切の権利は、その発行者および許諾者に帰属します。
■当資料に掲載されている写真がある場合、写真はイメージであり、本文とは関係ない場合があります。

三井住友DSアセットマネジメント株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第399号
加入協会:一般社団法人投資信託協会、一般社団法人日本投資顧問業協会、一般社団法人第二種金融商品取引業協会