人民元、SDR構成通貨採用へ
人民元、SDR構成通貨採用へ
【ポイント1】「国際通貨」の仲間入り
「自由度基準」を充足
■国際通貨基金(IMF)のラガルド専務理事は13日、人民元のSDR(特別引出権)の5番目の構成通貨への採用について、30日の理事会に諮ることを明らかにしました。
■SDRの採用には、2つの基準を満たす必要があります。今年8月の見直しでは、人民元は「貿易量基準」を満たすとされましたが、もう一つの取引の「自由度基準」は判断が先送りされました。今回IMFの実務担当者の提案では、「広く使われ、広く取引される」と「自由度基準」を満たすとされています。
【ポイント2】通貨需要が増加
為替リスク軽減メリットも
■SDRに採用されるメリットは大きく2つあります。一つは、準備通貨として人民元への通貨需要の増加が期待されることです。IMF加盟国は外貨準備の一部を人民元に振り向けることが予想されます。
■もう一つは、人民元建ての決済や金融商品の拡大につながり、中国政府や企業は、外貨建ての取引を抑制して為替リスクの軽減が可能となることです。
【今後の展開】人民元の国際化や自由化の進展による、経済活性化を期待
■30日のIMF理事会では、英国などの欧州勢に加え、米国も支持すると見られ、人民元採用が正式決定される可能性が高まっています。正式決定されると、来年10月に構成割合の見直しが実施され、SDR構成通貨の新比率で運用がスタートします。
■また、欧州への難民の問題にも微妙な影響がありそうです。難民への寛容過ぎる政策が世論の反発を強め、政治の不安定材料となることも予想されます。原油価格はいまのところ落ち着いていますが、地政学リスクで原油価格が上昇する場合の物価や金融政策への影響も注視する必要があると考えられます。
(2015年11月17日)
印刷用PDFはこちら→
関連マーケットレポート
■当資料に基づいて取られた投資行動の結果については、当社は責任を負いません。
■当資料の内容は作成基準日現在のものであり、将来予告なく変更されることがあります。
■当資料に市場環境等についてのデータ・分析等が含まれる場合、それらは過去の実績及び将来の予想であり、今後の市場環境等を保証するものではありません。
■当資料は当社が信頼性が高いと判断した情報等に基づき作成しておりますが、その正確性・完全性を保証するものではありません。
■当資料にインデックス・統計資料等が記載される場合、それらの知的所有権その他の一切の権利は、その発行者および許諾者に帰属します。
■当資料に掲載されている写真がある場合、写真はイメージであり、本文とは関係ない場合があります。
三井住友DSアセットマネジメント株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第399号
加入協会:一般社団法人投資信託協会、一般社団法人日本投資顧問業協会、一般社団法人第二種金融商品取引業協会